嘘つきな僕ら 26

1239 Fsaid 舞台裏 ページ45

太輔said







舞台裏には、これから御披露目される

のだろう数々の衣装が並んでいた








渉「なんかライブみたいだな(笑)」








衣装が並ぶポールには

着用するモデルの名前が書かれた紙が

貼ってある









本当、俺らのライブと同じ








「これ、なんですけど……」









さっきの女性たちが近くのポールから

1着ずつ衣装を持って近づいてきた









「ちょっと羽織って貰ってもいいですか？」








なんとなくジャケットを羽織る








さすが海外のデザインだけあって、奇抜だ









「うん！すごくいい！

イメージ通り！」









玉「そうかなー。

まー、わりと似合ってはいるけどさー。」






近くの鏡でチェックしながら言う









玉「でもやっぱり体に合ってないかも。

少しサイズがデカい。」







外国人向けに作られた衣装は

俺ら日本人には少しだぼついてしまっていた







渉「確かに。

玉で合わないなら難しいよねー。」







グループの中でも長身の玉の隣に並ぶ渉







「あ、じゃあちょっと待っててください！

すぐに直します！」






その様子を近くで見ていたスタッフさん









「直すって、そんなすぐには……」









「得意な子が居るんですよ！






あれ？……さっきまで居たんだけどな……

どこ行っちゃったんだろ」








「私、探して来ます！」








って、慌ただしく動きだした









いや……でもさ……やっぱり








「まずくない？

いくらプライベートだからって……」









渉「やっぱり怒られちゃうよな(笑)

うん。マズイか。



ねー玉？」








玉「……。」





……？




返答のない玉を見ると

鏡の前で衣装の裾をぼんやり眺めている





「……玉？」







玉「あ……何？」







渉「何って(笑)

やっぱり断ろうって話！」





玉「あ、だよね。

ごめんなさいしよっかー。」






フワ〜っと言うと

ジャケットを脱いでハンガーにかけた







その横に俺らのジャケットも並べる





「玉、どうした？」







玉「ん？いや、なんでもない。

なんか、ちょっと思い出しちゃっただけー。」






渉「思い出すって何を？」




玉「んー？なんでもない。」








結局、俺たちはやっぱりランウェイは

歩けないと丁寧に断って、舞台を後にした









それから3日、存分にオフを漫喫した俺らは

多忙なスケジュールの待つ日本へと帰国した

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