57 みっくんの手 ページ9
私が帰らないことを
心配した母に連絡を受けたようだ
みっくんは何を話すわけでもなく
ただ黙って隣に座っていた
『お父さんが……死んだ』
みっくんの前で、そう口にしたとき
あーやっぱりこれが現実なんだって
こんなことがあったんだから
辛い、悲しいって泣くもんだと
思っていたけど、涙は少しも出なかった
泣くわけでもなく、話すわけでもなく……
その場を動くことができなかった
私の手をみっくんはずっと握ってくれていた
みっくんは泣いてないって言うけど
あの日見た涙を私は忘れない
私のために涙を流してくれる人
私にとって幼馴染みで……
大好きなお兄ちゃん
小さい頃から、私を導いてくれたのは
いつだってみっくんの少し大きな手だった
その温もりにあの時の私が
どれだけ救われたか
きっとみっくんは気づいてないんだろうな
あの日をきっかけに
みっくんは私にとって
ただの幼馴染みではなくなった
母は少しずつ元気になり
私も日常を取り戻していったけれど
もう一度、立ち上がろうと思えたのは
暗闇の中……
みっくんが私の手を引いてくれたから
あの日から、ずっと……
私はみっくんに恋をしている
結局、風が強いことを言い訳にして
みっくんに手を引かれながら
アパートまで歩いてきてしまった
腕から感じるみっくんの体温
大好き……手の先から溢れてしまいそう
みっくんにとって、私はただの幼馴染み
でも……美紀さんを断って
私のところへ来てくれた
それが母に頼まれたからだったとしても
私はただ、嬉しかった
みつ「なんでこんなに風が強いわけ？
昼間と違すぎ。」
部屋の前まで来ると
服に付いた花びらを祓いながら言う
「本当だね。なんか嵐みたい。」
みつ「あ、ちょっと動くな。」
大きな手がフワッて私の髪に触れる
……！//
反射的に体を離そうとすると
みつ「動くなって。絡まってっから。」
風に煽られて、長い髪に桜の花びらが絡む
優しく触れるみっくんの手
みつ「よし。いいぞ。」
髪を簡単に整えると部屋の鍵を探している
ここでお別れ
名残り惜しいけど仕方ない
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もも(プロフ) - ミィさん» コメントありがとうございます☆なんだかぐちゃぐちゃしていて、なんとか話をこぎつけつつ進めています(^^;お話はまだまだ続きますので、これからも気長にお付き合い頂けると嬉しいです(*^^*) (2019年5月13日 21時) (
レス) id: 0e833b3ebd (このIDを非表示/違反報告)
ミィ(プロフ) - 太輔くんと同じ境遇で仲良くなって来ましたけど、そんな単純にことは進まないですよね。萌ちゃんにもなんだか、胸がざわざわします。渉くんと太輔くんと咲良さんの関係も気になります！続きも楽しみにしています。 (2019年5月13日 21時) (レス) id: 1dbee522b3 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 玲さん» お久しぶりです(^^)こんにちは☆コメントありがとうございます☆前作では、藤ヶ谷君があまりいいキャラクターではなかったので、ちょっと立場が逆転ですね笑 これから距離を縮めていきます☆これからもお付き合いください(*^^*) (2019年5月10日 6時) (レス) id: 0e833b3ebd (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 「嘘つきな僕ら」でもコメントさせて頂いてた者です。新作もまた素敵ですね。毎日読んでます。わたしは藤ヶ谷先輩派なので主ちゃんと藤ヶ谷先輩が親しくなっていくといいなぁ〜なんて期待しています(//▽//) (2019年5月9日 23時) (レス) id: b7c4bcac2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2019年5月9日 19時
