月とオレンジ 2

77 みっくんの彼女 ページ29

そうだ

このふたりは知らないんだった






私たちが隣同士の部屋に住んでること







「あ、えっとね……これにはわけがあって//

うちの母親が、みっくんにお願いして……//」





って、事情を説明すると






玉「そうなんだ(笑)





あ、だからか！

みつさんがAちゃんだけは

ダメって言うの。」







納得したように言う玉森君と







二階堂「いやいやいや！おかしいって！

お母さんに頼まれたからって

そんなにやる！？





そんなん半同棲みたいなもんじゃん！






てか、みつさんだって男だし。

そんなんありなわけー？」






って、あー言われるだろうなって

心配してたことをはっきりと言う二階堂さん








「待って待って//

全然、同棲じゃないから！//






みっくんは男の子だけど

私たちはそんなんじゃ……//」







って、みっくんを見ると

美紀さんが視界に入った







『大好き』







そう笑っていた彼女が少し落ち込んでるような







待って待って、これはダメだよ

って、二階堂さんを止めようとしたとき








みつ「二階堂、いい加減にしておけよ。





俺たちはお前が思ってるような

関係じゃないし、俺には美紀が居るから。





そんなこと美紀の前では口にすんな。」






って、いつになく真剣に強い口調で






だから、二階堂さんも素直に謝った







美紀さんは……少し嬉しそうにはにかんで

みっくんの腕を掴んでいる







みっくんの彼女








すごく大切にされている彼女






みっくんにかばわれて

少しでも舞い上がった気持ちは

見事に固い地面に投げ落とされた







すごく痛くて……すごく惨めで






一刻も早く、この場所から消えたい








だから、






「あ！そうだ！

さっき友達から連絡あったんだ！





みんな、ごめんなさい。

今日はこれで……」






って、半ば強引にみんなのもとを後にした







どこに向かうわけでもなく歩くのは

みんなと同じ駅には向かえないから







日付をまたごうとしている街は

なんだか怪しげな雰囲気で

一人で歩くのが少し心細くなる








何かあったら連絡してと追いかけてきた

玉森君がくれた連絡先






いやいや、あんな感じだったし……

連絡なんてできない







ふと携帯を見ると








あ、そうだ


藤ヶ谷先輩から……








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もう一時間も前

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