星に願いを

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裕太said





デビューして半年の頃ふたりは別れた






仲がよかったから

俺以外のメンバーもすごく驚いて

ガヤはとにかく落ち込んでいた








舞「あの頃、藤ヶ谷さん…

キスマイはデビューしたばかりで…




すごく大事な時期だったと思います。」







彼女が話した別れの理由は

俺たちが思っていたような

身勝手なものではなかった








デビューが決まったことをきっかけに

他のメンバーが、次々に身辺整理を始める中






ガヤだけは彼女と別れなかった







それだけ、ガヤにとっても彼女にとっても

お互いは必要不可欠な存在だったんだと思う







それをよく思わなかったのは事務所だった






俺らは言わば商品で

アイドルである以上

ファンに夢を届けなくてはならない






そんな人間が特定の誰かと付き合ってる






そんなスキャンダルは絶対に

避けなければならなかった







デビュー直後、世間的に無名の俺たちに

とって、今までついてきてくれた

ファンの存在がすべてだったと言っても

過言ではなかったから









ファンを裏切る行為は絶対に

あてはならなかった









事務所はガヤに何度も掛け合った

でも、ガヤはそれを受け入れなかった







だから、最終手段を使って彼女に頭をさげた







ガヤが好きなら別れて欲しいと






ガヤの将来と、俺らの将来と

彼女自身のためにもと







何度も頼み込まれて

彼女は仕方なく承諾した







それは紛れもなく

ガヤと俺らの未来のための決断だった








別れる理由を話さなかったのは

ガヤが納得できるような理由を

持ち合わせていなかったから









事務所に頼まれて

ガヤのためにとは言えず







でも、好きじゃなくなったとは

どうしても言えなかったと







それで、もう物理的に

会えない状況をつくるしかなかった








「そうだったんだ…。」






険しい表情の彼女







隣で静かになったAを見ると





どんな表情なのか…うつ向いている








「でも、ならどうして

俺の舞台に出てくれる気になったの？」








俺と共演したら

ガヤにも会う可能性があるって

分かってたはずなのに









舞「私、あのときは…

あのやり方が一番だと思ってました。」







別れようと残して、いなくなること







舞「でも、時間が経って

やっぱり間違ってたのかなって…。」






間違ってた

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