星に願いを

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ひとつでも

タイミングがずれていれば







ひとつでも、別の行動をしていれば






私たちは今頃、一緒に…いられたのかな






先にあっただろう未来が幸せであるからこそ

悔しさと後悔で胸が締め付けられて






苦しくて、苦しくて…涙か止まらなかった






太輔の手にそっと手を重ねると

あの日の事故の瞬間が甦った







大きなブレーキ音がして車体が傾いた

その瞬間、ものすごい衝撃を受けた






最後に見たのは目の前を覆う黒い世界






…あれは、太輔の服






太輔は、私をかばおうとして昏睡状態になった






なんで、私なんてかばうのよ





かばってもらったのに、私は…






なら、太輔だけでも…って







「太輔、お願い…目を覚まして。」







横尾さんが帰った病室で

私は声をあげて泣いた








辛くて、悔しくて、悲しくて







どうしようもない程、愛しくて…






心まで壊れてしまいそうだった








太輔が目を覚ませば

私の魂は消えてしまう









消えたくなんかない





ずっと太輔の傍にいたい





ずっとここに居たい





でも、そうしたら太輔は死んでしまう






体だけが残って…死んでしまう









だから…






私は決意した









太輔と

さよならするって







どうしても

あなたに生きていて欲しかったから






それが、たとえ…

私の知ることができない明日だったとしても









病室から見上げた狭い空には

都会なのに小さな星が輝いていて







もしかしたら、私の魂はあの星になるのかな







なんて…ありもしないことを考えていた








でも、もしあの星になれたなら

私はきっと精一杯輝くの





どんなに遠く離れていても





太輔…あなたが

私を見つけられるように

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