STORY03 再会(1) ページ5
今日はサボりではなく、名実共に非番である。
団子屋の娘が忘れられないからなのか、考えすぎて疲れたのか。
理由はわからねーけど、みたらし団子が食べてェ。
ったく何でィあの女。
姉上に似すぎだろ。
俺の頭に居座りすぎだ。
姉上が生きていれば。
あんな風にまた会話ができたんだろうか。
…乗り越えたはずの壁が少し前に立ちはだかった気がした。
___あの女にはもう会っちゃいけねェ。
本能がそう言っていた。
______
___
「おばちゃーん、みたらし3つ。」
「はいよー!」
もちろん例の団子屋には近づかなかった。
特に何をされたでもねェが、つい避ける。
「これじゃあ意識しすぎじゃねーか…。」
「何を意識してるんですか?」
「いや何でもね……あ?」
すっかり油断していて、突然会話に加わってきたことに気づくのが一瞬遅れた。
誰だこのおん…な?
胸まで伸びた亜麻色の髪の毛はふんわり巻かれていて、瞳は水色…?
まさか…。
「みたらし2つお願いします。」
「はいよ!」
仕事中と髪型や雰囲気が違ェから、すぐにはわからなかったが、ずっと脳みそ占めてた女が目の前に急に現れて、呆然とする。
彼女がただ注文するだけで、絵になる。
なんでだ。
「アンタ…何してるんで?」
普通勝手に隣座るか?
声かけてくるか?
前の姉上間違い事件で顔覚えられたのか?
いやにしても普通話しかける?
何なのこの人。神経図太すぎじゃね?
てか恥ずかしいんだけど。
もう忘れたいんだけど。
突然の出来事に、感情がぐるぐると巡る。
___あァクソ、この女に振り回されてばかりだ。
・
・
不思議と嫌な気持ちにはならなかった。
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たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね!笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った!!笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たいる | 作成日時:2021年1月8日 0時