STORY37 デート(5) ページ40
待っている間にチャラめな男にナンパされるとか、悪そうな男に絡まれるとか、そういう少女漫画みたいな展開はもちろんなかった。
もしあっても返り討ちにする自信はあるんだけど。
それにしても少し遅い。
総悟君はどこまで買いに行ったんだろう。
遅いとかはいいんだけど、少し心配だ。
「お待たせしやした。」
「ありがとう！ もう、どこまで行ってたの？ 心配した。」
「すいやせん、少し並んでたもんで。」
なるほど並んでたのか。
…並んでくれたの？
「ごめん、大変だったでしょう。やっぱり一緒に行けば良かったわ。」
「大変じゃありやせんけど…退屈でした。やっぱり一緒に来て貰えばよかったってちょいと思いやした。」
Aさんと一緒なら退屈しやせんからね。
総悟君はそう言ってはにかんだ。
少し体温が上がったのを誤魔化すように差し出してくれた紅茶を飲む。
買ってきてくれたストロベリーティーは果肉がたっぷり入った甘い紅茶で、とても美味しい。
ホットにしてくれたから、体も温まる。
「これすっごく美味しい！ 総悟君は何飲んでるの？」
「キャラメルフラペチーノでさァ。」
「へえ、美味しそうね。」
随分可愛いものを飲むなぁと微笑ましく見つめると、欲しがってると勘違いされたのか飲みやすか？と差し出される。
「え、ううん、そういうつもりじゃないのよ。勘違いさせてしまってごめんね。」
それに、間接…いいえ、何でもないわ。
「俺そっち欲しいんで、交換しやせんか？」
「あー…なるほど、仕方ないわね。」
総悟君は気にならないのかしら？
そう思って顔を見ると、平気そうな顔をしていた。
…が、耳がほんのり赤い。
(なるほど、痩せ我慢だったか。)
…そんな耳を見せられると、期待してしまう。
「んー！ こっちのも美味しいわ。ありがとう総悟君。」
「Aさんのも、美味しいでさァ。」
…これを飲み切ったら、お別れだ。
「Aさん、そろそろ日が暮れやす。…送りまさァ。」
「いつもありがとう。」
いつも送ってもらって申し訳ない。
でもそう言ったら総悟君は、心配だからとか俺が送りたいだけだからとか、なんだかんだ理由をつけて送ってくれる。
…優しいんだよなぁ。
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たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね！笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (
レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った！！笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たいる | 作成日時：2021年1月8日 0時
