STORY35 別れの挨拶(2) ページ37
銀さんの目はいつも通り何の感情もない目で…いや、訂正。
少しだけ心配そうだ。
大丈夫か、と目で訴えられているのがわかる。
「ええ、覚悟を決めました。」
「…そうかい。」
私の言葉で安心したのか、銀さんも薄く笑った。
「挨拶に来ただけなので、これで。玄関で長話してごめんなさいね。あとこれ、銀さんと神楽ちゃんと、新八君で召し上がってくださいね。」
「わりーなA。団子か？」
「きゃっほーい！ 食べ物アルか！？ Aありがとう！！」
「何で僕の名前…。」
「ふふ、団子です。銀さんが前に新八君のこと話してたもの。覚えてるわ。…じゃあ、またね。」
「おー。」
呆気に取られた様子の新八くんと気怠げな銀さんを横目に、万事屋を離れた。
・
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次に真選組。
万事屋からはあまり近くないから、時間がかかってしまった。
「すみません、私団子屋で働かせて頂いてます、成田Aと申します。土方さんと沖田さんはいらっしゃいますか？ お2人には団子屋のAとお伝え頂ければわかると思います。」
「はっ、確認して参ります。」
真選組の門に立っている男の人に話しかけると、思ったよりすぐに2人を連れてきた。
「ご足労かけまして、ごめんなさいね。」
「いや、大丈夫だ。そっちこそわざわざどうした？」
「…聞いてたより早いですねィ。」
土方さんは不思議そうに尋ねたが、総悟君はもうわかっているようだった。
「私一度実家に帰ろうと思いまして。…ご挨拶に伺いました。これ、屯所の皆さんでどうぞ。流石に足りないかもしれませんが。」
「ああ、なるほど。いつ行くんだ？」
「明日です。」
「急だな。…ま、また戻ってくんだろ？ そんときはまた頼むわ。」
「はい、もちろんです。」
「あー…俺は先戻るわ。総悟も話終わったら仕事に戻れよ。A、団子ありがとな。」
気を利かせてくれたのか、気まずかったのか。
土方さんは先に屯所の中に戻った。
…総悟君と2人きりは、少しだけ緊張する。
もう慣れっこのはずなのに。
「すぐ行くわけじゃねェって言ったじゃないですか。」
「そうね、ごめん。…おばあちゃんが店のことは気にせずさっさと行ってまた帰っといでって言ってくれたから、行くことにしたの。」
総悟君、ちょっとだけ拗ねてる…？
ふふ、総悟君には悪いけど、少し可愛い。
「もし良ければ、お昼休憩一緒に食べに行かない？」
総悟君は二つ返事で了承してくれた。
しかも今から。
…サボりだよね？
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たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね！笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (
レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った！！笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たいる | 作成日時：2021年1月8日 0時
