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STORY20 お誘い ページ22

次の日、約束通り団子屋に行くと、いつも通りAさんがいた。
そして、ぱああ…と効果音がつきそうなほど嬉しそうに、満面の笑みを浮かべる。


「総悟君! いらっしゃい!」


何だありゃ。天使か。

好きだと自覚してからは、尚のこと可愛く見える。
年上なのに、だ。
何が姉上だ。姉上にこんな感情湧くか俺のアホ。


「みたらし3本でいいかな?」

「や、今日は5本で。…Aさんはどの団子がお好きで?」

「私? んー…黒蜜ときなこかなぁ。コンビネーション抜群で。」

「んじゃ、みたらし3本とそれで。」

「あら珍しい! 待ってて、なるべく早く持ってくるね。」

「あ、ゆっくりでい…聞いてねェな。」


俺のセリフを聞く前にさっとじじいに注文を伝えに行っちまった。


「おいばばあ。」

「はいはい。Aちゃんと団子が食べたいのかい?」

「察しがいいな。」

「ふふ、Aちゃんのことよろしくね。」

「…ああ。」


すぐに返事できなかった。
にも関わらず、諦め切れるわけでもなさそうだ。

彼女にいい人が現れるまで、それまでは。
…なんて。責任取る気もなければ、応援する気もない。
情けねェ。嫌な男だ。


「お待たせ! こっちがみたらし、こっちが黒蜜ときなこ。ごゆっくり。」

「待ってくだせェ。…座って?」

「え? いやでも私勤務中で…。」

「ばばあに許可は取りやした。これ、Aさんの分。」

「ええ、そんな急に…。じゃあお言葉に甘えて。」


少し困ったような迷ったような顔をしていたが、ばばあがにこりと笑ったのを見て、安心したみてーだった。
相変わらず綺麗に笑う。


「すいやせん勝手なことを…迷惑…でした?」

「そんなわけない! 迷惑じゃないよ、嬉しい。ありがとう。」

「俺も嬉しいです。」


一緒に団子を食べるのは、初めて話したときぶりだ。
あのときはAさんに振り回されっぱなしだった。
普段なら気に食わねーが、悪くねェと思ったのを覚えている。


___俺も振り回してェ。


談笑している今も楽しいが、もっと。
もっと欲しい。

団子はもうなくなる。
今しかねェ。


「俺、Aさんのこともっと知りたいんでさァ。」

「私の、こと? ふふ、いいよ。何が知りたい?」

「デート。…デートしやしょう。」


質問されると思っていたのか、目が見開く。
これでもかと言うほど丸くなる瞳は溢れ落ちそうだ。


「来週の水曜日、非番なんでさァ。…空いてやすかィ?」


すげー緊張して、少し手が震える。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 団子屋   
作品ジャンル:アニメ
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たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね!笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った!!笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たいる | 作成日時:2021年1月8日 0時

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