STORY18 お悩み解決 ページ20
「お前さんさー弟弟ってよ、暗示にかけてるみてーだが、それは本当に弟か?」
そう言われて目が泳ぐ。
言っている意味がわからないのだ。
だって彼は、総悟君は弟に似てて、弟みたいに可愛くて、何でもしてあげたくなって。
姉みたいに慕ってくれているのが嬉しい。
弟以外の何だと言うのか。
「もし弟だったら、少し様子が違うくらいでそんな不安になると思うか?」
「え、と…。」
「俺だったら何だアイツ好きな子でもできたんか?とか、機嫌悪かったんか?とか。特に気にも留めないと思うね。まあ俺弟いないんだけど。」
「そう、かもしれないです。」
「じゃ、そういうことだな。早く乳繰り合ってきな、沖田クンと。」
いや乳繰り合いません。
てか何ですかその表現…てあれ?
何かがおかしい。
「あの、今何と?」
「乳繰り合えって。」
「その後です。」
「沖田クン?」
「そこ!! 何で知ってるんですか!?」
つい声が大きくなり、自分でも驚く。
しまったと思って辺りを見回してみたけど、特に誰も気にした様子はなく安心する。
「いや真選組で弟みたいって沖田クンしかいねーだろ。最初は土方クンかなとも思ったけど、アイツは弟って感じじゃねーし、何より年齢も同じくれーだし。それに沖田クンとA、髪色似てるし。」
鋭い推理に舌を巻いた。
銀さんのくせに。
「…まあ、バレてしまったなら仕方がないですね。」
「潔いな。」
「過去は振り返らないので。」
「現実逃避がはえーだけだろ。」
「そうとも言いますね。銀さんあの…私は、総悟君のことが。…その、男性として…好きなのでしょうか。」
「知らね。」
無責任な言葉が返ってきて驚く。
さっき銀さんが言ったのに。
「話を聞いた限りそうなんじゃねって思っただけ。てめーの気持ちはてめーにしかわかんねーの。しっかりてめーでよーく考えなさい。」
無責任だなんて失礼だった。
自分の気持ちについて他人に責任を押しつけるなんておこがましい話だ。
「確かに、そうですね。…銀さんは普段チャランポランなのに、頼れる時は頼れるんですね。」
「あれ今俺褒められた? 褒められたんだよね? 信じていいんだよね?」
褒めてますよ、もちろん。
ありがとう銀さん。
「ま、そろそろ行くわ。」
「はい、ありがとうございました。」
スッキリとした私の笑顔に、安心したように笑って銀さんは去った。
やっぱりお金払う気はないんだなと思いつつ、なぜか心はあたたかかった。
STORY19 先延ばしの問題→←STORY17 お悩み相談(2)
194人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね!笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った!!笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たいる | 作成日時:2021年1月8日 0時