弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ19)

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64話ページ19

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あの後少クラは一時中断されて、

Aに怪我をさせたファンの子は警察へ連行された。

そして Aは病院へと搬送された。

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ステージ上でパニックになった俺を

淳太と照史が止めてステージ脇に連れ戻してくれた。

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冷静になって改めて状況を把握した時には

涙が溢れて止まらんかった。

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淳太と照史は

「大丈夫、死ぬほどの怪我じゃないし

じき治ってまた一緒に活動出来るで」

と言って俺を少しでも元気づけようとしてくれた。

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でも、そんな言葉をかけられても心に響かん。

Aを守るって誓ったのに、

俺、全然守れへんかった。

無力やな…俺っ。

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病院に行きたいけど

少クラはあくまでも中断。

しばらくすると再開される。

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病院行かれへんのは分かっとるけど、

心配で仕方ない。

ソワソワして到底少クラに集中出来そうにない。

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そんな俺の姿を見かねた淳太がスタッフさんに、

「濵ちゃんを病院に行かせてあげてほしい」

深々と頭を下げてそう言った。

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すると他のJrの子らも

次々と頭を下げて

「お願いします」

そう言うてくれた。

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涙が滲んで前が見えんくなる。

みんなの優しさが痛いくらい伝わってくる。

俺、ええ仲間もったな…っ。

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淳太らの勢いに負けたのか

渋々スタッフもOKを出してくれて、

俺は急いで病院に向かった。

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みんなからはAの容態が分かったら

すぐに連絡欲しいと言われた。

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みんなも心配なんや。

なのに病院行きたい思いを我慢して

少クラのステージに立つ。

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でも俺は、少クラほっぽって1人だけAのおる病院に向かっとる。

俺は…甘ったれとるんかな？

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そう考えると申し訳ない気持ちになる。

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濵「でも、行かな」

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せっかくみんなが頭を下げて

スタッフに頼んでくれたんや。

今更戻って少クラ出るなんて言うたら

それこそ申し訳ない。

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濵「 A、待っててや」

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