弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ16)

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61話ページ16

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今のところは特に問題なく事が進む。

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ふとAを見ると、

楽しそうにちびジュと絡んでいた。

そんな姿に安心する。

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やけど、の一番盛り上がるラスサビに近づいた時、

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「 A、消えろ！！！！！」

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どこかからそんな声が聞こえてきた。

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声がした方を向くと、

『 A死ね』

『お願い、消えて？』

と書いてある団扇が。

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それも1人や2人が持っとるわけじゃない。

その周りにも似たような団扇を持っとる人がおって、

Aに対して大声で悪口を言うとった。

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濵「なんやねんあれ…っ」

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誰が見ても傷つく言葉。

なんでそんなこと言えるん？

Aの何が気に入らんねん。

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それにその団扇どうやって持ち込んだんや。

会場に入る前に持ち物検査あるのに。

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考えれることは一つ、

スタッフさんの中にもAのアンチがおるということ。

ファンレターの件といい、

団扇の件といい、それしか考えれん。

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歌っとるみんなの顔を見ると、

みんなその声に気づいたのか一瞬笑顔が消えとった。

楽しい曲に不釣り合いな表情。

そして…

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濵「？！」

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Aの顔は今にも泣きそうな顔。

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その顔に気づいたのか、

淳太や神ちゃん、流星が近づいて

肩を組んだり、抱きついたりする。

でも3人とも心から笑えてなくて、

笑顔が引きつっとる。

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Aも無理矢理笑おうと頑張っとるけど、

もう限界寸前なのか全然笑えてへん。

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あの団扇と声のせいで色んな人が傷ついて、

大切なシンメまでもが傷ついた。

そう思うと怒りの気持ちがこみ上げてきた。

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濵「許さん…っ」

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