194話 ページ7
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小 「…なんで?
なんでAはそうやって俺らに優しく出来るん!?
そうやって、なんで自分ばっかり責めんねん!!」
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貴 「の…ん?」
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私が自分の気持ちを打ち明けてすぐ、のんが突然叫ぶような声でそう言った。
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“なんで”って…?
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小 「お前はいつも、いつもいつもそうや!
俺らが悪いのに俺らを責めずに自分自身を責める。
俺らを責めたと思ったら、後悔してまた自分自身を責めて!
そうやって…お前が俺らを責めへんから…
俺、不安になってまうんやんか…っ!!
Aが遠くに行ってまうそうで怖くなるんやんかっ!!」
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のんはそう言うと嗚咽を漏らす。
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のんの言葉は“自分を責めるな”そう言っているような気がする。
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でも…私はもう…っ。
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小 「…Aを…傷つけた…んは俺らやっ…て分かっとる。
そんなこと言わせる…ようなことを…したのも俺らや。
やからもっともっと俺らを責めて…や。
俺らは責められてもおかしくないくらいAを傷つけとるんやからっ!!!」
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“責める”
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なんて…出来ひん。
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なんでか分からへん。
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やけど今の私にはのんやみんなを責めようという気にはならんかった。
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むしろ…
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貴 「…ごめん…っ。」
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罪悪感が湧いてきた。
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やっぱ…自分を責めんなって私には出来ひんわ。
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私は自分自身を追い込むことしか出来ひんから…っ。
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小 「…Aは…アホや」
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作者名:凪優月 | 作成日時:2016年6月4日 16時