優しくされたよ ページ35
あの死穢八斎會事件から時は過ぎ、雄英高校の雰囲気はすっかり浮かれ立っていた
「そっち持って！」
ぐい、と大きな箱を友人と共に持ち上げる
ゆっくり運んでいると、足が何かをぐ、と踏んだ
「わ…っ！！」
と友人が声を掛けるのを聴きながら、ぎゅっと目を瞑った──────が、後ろから私を支える両の手
「っと…！大丈夫？」
耳元を掠めるのは、大好きな彼の声で。振り向けば心配そうな表情を浮かべた環くんがいた。
「あ、ありがとう、環くん…。」
会えたのが嬉しくて、照れ臭くてもじもじしていると、それを見ていた友人が「はい」と環くんに箱を渡す
「私とAじゃ大変だから、天喰くん私の代わりにAを手伝ってくれない？」
じゃあね〜とひらひら手を振る友人に、感謝の言葉しか言えない。気を利かせてくれたんだ
環くんも察したらしく、ちょっと口をもにょもにょさせた後、「運ぼうか」と箱を持ち直した。
「どう？クラスの準備」
「うん、なんとか進んでるけど…。正直クラスの出し物よりミスコンの準備が忙しくて」
眉を下げて本当に疲れた、という表情をする環くんにあたまを巡らせる──────そうだ、ねじれちゃんのミスコンのお手伝いをしているのだ
「ねじれちゃんのカメラマン的な感じで補助してるんだっけ」
「あ、うん、そうなんだ」
確かに、環くんはカメラが昔から好きだった
今でもよく出掛け先で写真を撮るし、超高性能カメラも持っている。
カメラマンといえば、となれば、環が抜擢されるのは仕方がない
「いいなぁ、ねじれちゃん…。環くんにずっと見つめられてるなんて」
なんて疲れていたのか、本音がぽろり、口から零れてしまった
ハッとして彼を見上げる──────と、彼は顔を真っ赤にして戸惑っていた
「あ、ち、違うの！」
ちょうど目的の空き教室まで来て、急いで箱を置こうとすると環くんも合わせてくれた
──────でも、視線はじっと此方を捕らえている
環くんは無言のまますっと長い手をこちらに伸ばす。そして優しく頬を撫でると視線を俯かせた
「確かにずっと見てるけど…、画面越しだ
触れられないし、触れる気なんかないけど…」
そこまで言うと、環くんは照れ臭そうに微笑んだ顔を上げた
「俺は、ずっとじゃなくてもいいから、偶にAを直接見つめて、触れられる方が…いい」
なんて、あんまり優しい声で言うから、涙が出そうになった
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豆腐ちゃん - 環くん…………最高すぎだろ…… さては、主さん天才だな！？神なんだな！？、いや本当にこの小説の人たちには同担拒否が仕事しないww (2023年3月12日 23時) (
レス) @page19 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 鈴蘭さん» コメント気づかなくてごめんなさい…！コメントありがとうございます！2回目の閲覧なのですね…、嬉しいです！環くん出てきましたね…！私も大興奮でした！これからも頑張ります！ (2019年12月30日 16時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 数ヶ月ぶりにまた見に来ました！相変わらず素敵な作品ですね！いよいよ環くんアニメで出てきましたね！これからも頑張ってください！ (2019年12月1日 11時) (レス) id: c40cd9804d (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 雫さん» コメントに気づくのが遅くなってごめんなさい…！コメントありがとうございます！素敵な作品…、更に好きとまで言って頂けて至福の極みです…！うわああ、天喰くんを更に好きになったというその言葉が一番嬉しいです…！これからも色々な作品で頑張ります！ (2019年8月15日 9時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - かなさん» とっっっても素敵な作品でした！！あろまさんの作品めっっっちゃ好きです！！！更に天喰くん大好きになりました！これからも応援してます！頑張って下さい！ (2019年8月2日 20時) (レス) id: b93c2cbed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年4月14日 23時
