希望と絶望 ページ16
紫side
仕事中、病院からAが目を覚ましたっていう連絡がきた。
嬉しすぎて、泣きながら病院へ急いだら、望にも、先生たちにも笑われて。
また笑い合える日が来たって。
そう思ったのになぁ。
なんでそんな神様は意地悪なんやろ。
赤「Aちゃんは、心停止の時間が長すぎたことで、低酸素脳症の可能性が高いです。」
重岡先生からの話は、脳に酸素が十分回らへんかったことで、もう一生歩いたり、話したりできひんってことやった。
…俺のせいや。
俺がちゃんと見とったらっ、…
出てくるのは後悔ばっかり。
俺があの時目を離してなかったら、こんなことにはならんかったって。
望も先生も、俺のせいじゃないって言ってくれるけど、それも今の俺には何も聞こえてこなくて。
これからどうしていけばいいのかって、絶望しかなかった。
でも、そんな時でも救ってくれたのはAやった。
まだ意識も混濁してて、呼吸も苦しいやろうに、虚ろな目で俺を見つめて、俺が手を握れば、ちょっと、ほんのちょっとやけど握り返してくれた。
…そうや。
Aはすごい頑張り屋さんやった。
こんな山、すぐに乗り越えられる。
俺らはまた、新たな一歩を踏み出すことになった。
・
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←・
255人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みー(プロフ) - 初めて読ませていただきました。更新をするのを楽しみに待っています。お体に気をつけて頑張って下さい。 (2020年5月29日 1時) (レス) id: 4b53f5dd0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆら、 | 作成日時:2020年5月27日 14時