君は太陽 (ページ12)

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紫side

宅｢すみませんでした、ありがとうございます！｣

元気だけはええんやなぁ…

結構待たせたのにすっごい笑顔で挨拶されて、複雑な気分のまま、お風呂場へ直行。

｢Aー？もう上がったかー？｣

もしかしたらもう上がってるかと思ったけど、まだ電気が点いてたから中に声をかけてみる。

…返事がない。

中で寝てる？

…いや、でも声掛けたらすぐ起きる子や。

…もしかして、発作起きてるんちゃうか…

そうなったら迷ってる暇なんてなくて。

もし何もなかったら、後で怒られたらいいだけや。

｢Aっ、…！A！！｣

…なんでこういう時は嫌な勘が当たってしまうんやろう。

お風呂のドアを開けた瞬間、飛び込んできたのは、湯船に頭まで沈んでぐったりしてるAの姿やった。

くそっ、なんでこんな時に限って望おらんねんっ…

慌てて抱き上げたAは意識もなく、呼吸もしてなくて。

教習所で習った心臓マッサージを、まさか自分がやるなんて思ってなかった。

｢Aっ、ごめん…ごめんなっ、…｣

戻ってくれ、お願い………

焦る気持ちと、心臓マッサージのせいで、どんどん汗が流れる俺とは反対に、どんどん、どんどん、Aの唇が真っ青になっていく。

救急車が来るまで、Aの呼吸が戻ることはなかった。

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