帰る家 3 ページ24
だがしかし、ここはホグワーツである。
｢レパロ！｣
1年坊主とはいえ、壊れたものの一つや二つ直すことはAにとって容易だった。
よし、壊れたのが嘘みたいに直せた。
傷一つない、元通り。
壊れてなんかない……私はオルゴールを壊してなんていない。
｢それ、オルゴール？｣
オルゴールを大切そうに抱えるAをリリーは背後からのぞき込んだ。
｢うん、私の母さんが作ったんだ｣
Aはオルゴールをコトンと棚に置いた。
｢オルゴールを？すごい！｣
リリーは目を丸くしてオルゴールを凝視した。
機械仕掛けのそのオルゴールは、少し古めかしいが細工も精密で素人の技術だとはとても思えない。
Aが薇を回すと、繊細で可愛らしいメロディーが耳をくすぐるように流れてくる。
｢あなたのお母様は職人さんなの？｣
｢うん。…っていうか、工学者なんだ。他にも、いろんな機械とか装置とか作ってた｣
Aは込み上げてくる懐かしさを、なるべく押し殺しながら語った。
｢…………｣
Aの言葉から、リリーにある疑問が浮き上がった。
｢魔法を使わないの？あなたのお母様は｣
｢うん、でも母さんはマグルじゃないよ。スクイブなんだ。……えっとね、魔法族に生まれたけど魔法を使えない人のことをスクイブっていうんだよ｣
｢そうなのね｣
リリーはフムフムと頷いた。
｢あなたのお母様はきっと本当に凄い人なのね。こんなに質の良さそうなオルゴール見たことない｣
まじまじとオルゴールを見つめるリリーを見て、Aはふっと寂しく笑った。
｢形見なんだ、それ｣
｢え？｣
リリーの視線がオルゴールからAへ移る。
｢母さんの形見なんだ。ずっと昔に死んじゃったから｣
｢ごめん｣
リリーは申し訳なさそうに顔を伏せた。
｢その、知らないで…色々聞いちゃって｣
｢いや、そんな。謝らないで……私が勝手に喋っただけだもの｣
そんなつもりで話した訳じゃないが、どうやらリリーに気を遣わせてしまったみたいだ。
だが決して、話したくない話ではないし、思い出したくない思い出ではないのだ。
｢……じゃあそろそろおやすみ、って言いたいところだけど私、目が覚めちゃった。リリー、あなたは？｣
Aが問うと、リリーは悪戯っぽく笑って枕を手に取った。
｢私は元から眠くなかった！｣
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はじめ(プロフ) - マニ。さん» 応援ありがとうございます！あまり頻繁にはお返事できないかもしれませんが、それでもよろしければよろしくお願いします！ (1月31日 6時) (
レス) id: ee6ba55d5e (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - はじめさん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます！💖 (1月21日 16時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ(プロフ) - ケロッとさん» 応援ありがとうございます!!嬉しいです……!! (2019年11月22日 22時) (レス) id: ee6ba55d5e (このIDを非表示/違反報告)
ケロッと - ハリポタ作品をみていたらこんなに素晴らしい作品を見つけてしまい手が止まりませんでした！本当に神作品です！頑張りすぎずに更新頑張ってください！応援してます (2019年11月22日 19時) (レス) id: 35751de350 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ(プロフ) - さくらんぼ＆チェリー@サブさん» そう言っていただけて感激です…! 力の限り頑張ります!! (2019年11月19日 7時) (レス) id: ee6ba55d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はじめ | 作成日時：2019年11月10日 16時
