噂 ページ2
繁華街から遠く離れた、小さくもの寂しい田舎。
質素な家が密接して建てられた住宅街は、お世辞にも綺麗とは言えない。
この田舎に住む子どもたちの唯一の遊び場である公園は、手入れされておらず荒れ果てていたが、子どもたちはそんなことも気にせず、楽しげな声をあげながら駆け回っている。
普段なら、母親たちがすぐ近くで見守っているはずだが＿＿＿＿今日は子供たちに目もくれず、話し込んでいる様子。
時折聞こえてくるのは、私たちには耳慣れない言葉。
どうやら彼女たちの話は、とある話題で持ち切りのようだ。
｢＿＿＿＿ねぇ、聞いた？アークライトん所の夫人、亡くなったんだってさ！｣
｢聞いたよ。……最近見かけないと思っていたけど……まさか死んだなんてね。事故か何かかい？｣
｢違うわよ、知らないの？……ほらあの人、魔法族なのに魔法が使えない＿＿＿スクイブでしょう。やっぱり病気になったのよ｣
ひとりの女がそう言うと、周りを囲んで話を聞いていた他の人たちは震えあがった。
｢……あぁ、恐ろしい！やっぱりスクイブのいる所になんか越してくるんじゃなかった！！｣
｢……可哀想にねぇ、下の子はまだ5歳とかそこらでしょう？上の子だってまだ入学前なのに……｣
｢あたしはスクイブの子供になんて同情できないね。この町にバイ菌を持って来やがって｣
｢やめなさいよ、そんな言い方｣
若い母親が子供たちの方を気にしながら制した。
｢……感染する人が必ずしもスクイブって訳じゃないのよ。何故かほとんどがそうみたいだけど｣
｢今の所、治療法もないんでしょ？詳細が分からない病って恐いわ。どんな症状なのかも分からないし……感染したら、どうなるのかしら｣
｢化け物になるのよ｣
ひとりの冷たい一言で、母親たちは一斉に声の方へ振り向いた。
｢私、感染した人を見たことがあるわ……顔は爛れて肉は腐り、身体のあちこちに鱗みたいなものができるの……そして…｣
その女の声が弱々しく震え出した。
｢人間の心を無くして、ヒトに襲いかかるのよ！｣
母親たちは恐怖で硬直した。
｢でも……でも、あの夫人は誰も襲ってないよ｣
｢進行する前に死んでしまったんだろう。……この町の子供たちに襲いかからなくて良かった…｣
井戸端会議は重たい雰囲気に包まれ、母親たちは自分の子供を連れて解散した。
＿＿＿＿＿＿その際、住宅街から外れたあの大きな屋敷に近づく者は、誰一人いなかった。
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はじめ(プロフ) - マニ。さん» 応援ありがとうございます！あまり頻繁にはお返事できないかもしれませんが、それでもよろしければよろしくお願いします！ (1月31日 6時) (
レス) id: ee6ba55d5e (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - はじめさん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます！💖 (1月21日 16時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ(プロフ) - ケロッとさん» 応援ありがとうございます!!嬉しいです……!! (2019年11月22日 22時) (レス) id: ee6ba55d5e (このIDを非表示/違反報告)
ケロッと - ハリポタ作品をみていたらこんなに素晴らしい作品を見つけてしまい手が止まりませんでした！本当に神作品です！頑張りすぎずに更新頑張ってください！応援してます (2019年11月22日 19時) (レス) id: 35751de350 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ(プロフ) - さくらんぼ＆チェリー@サブさん» そう言っていただけて感激です…! 力の限り頑張ります!! (2019年11月19日 7時) (レス) id: ee6ba55d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はじめ | 作成日時：2019年11月10日 16時
