【d!】おいしくたべれる賞味期限。【zm】

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朝、鳥の鳴き声

隣に感じるちっこい命の音

...ほんまに、ちっこいなぁ、

頬を手で撫でる、ほんのりあったかい

俺が、ギュって握ったら潰れそうなほど小さい命を実感する


zm「...ほんまに、かわええなぁっ...」


また、昨日と同じ様な滴が頬を伝って布団にシミを作ってく

俺の方が、恐怖に泣き叫ぶニンゲンなんかより、ずっと弱虫やな、

柔らかい寝顔をして、一定のリズムで呼吸をするAに安心する

ああ、生きとるんやって、


『けほっ......ごほっ...』

zm「A、？」


ごほごほと辛そうに咳をしだしたA

どないしよ、

これ、どしたらええんや、？

辛そう、やけど、起こすのは正解なんか、？

だって、まだ、寝とるし...

頭ん中がごちゃごちゃになり始める


あれ、こう言う時って、どうしたらええんやっけ？

エミさんならどうするんやろ、

ぺ神なら、？

兄さんなら、ひとらんなら、

こう言う時、どうするんや、？


___嗚呼、俺、普通がわからへんから、正解も分からへんのや、

俺は、みんなと同じニンゲンやないから___


『ぅっ...ごほっ...』


正解が分からへんなら、

自分で、自分が正解やと思うことをするしかない、

俺みたいな、人の皮被った悪魔は、普通がわからへんのやから、


zm「A、大丈夫やで、」


恐る恐る、潰さへん様に、

Aをゆっくりと抱きしめて抱っこする

硝子を扱う様に、一つの傷もつけへん様に

小さな口から朧げな言葉が漏れ出す


『どこにも、いかないで、』


小さな、震えた声、

怯えている様な、そんな声


zm「大丈夫、置いてかへんよ、絶対、絶対置いてかへんから、ここに居るで、ずっと、...ずっと、離さへんから、ずっと、ずっと、ずーっと2人で、ここに居ろうな、」


背中にまわしとる手で頭を撫でてやると

落ち着いたのか、ゆっくりと呼吸を繰り返し出すA

よかった、

よかった...


zm「大丈夫やで、ずっと、一緒におるから、」


寒くない様にAの背中にブランケットをかけて

そのまんまベッドを出る

ちっこうから抱っこしたまんまでも、案外大丈夫なもんやな、

ほんまはベッドに置いてきてもよかった、

やけど、

あんな弱々しいところを見たら、放っておけへんやろ、


ポストの中を弄って見ると新しい新聞が入っとって

見出しに映し出された文字を見て俺はため息をついた

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