第二話 ページ3
今日の彼女の目覚めは破壊音と雄叫びだった。
「うるさいなぁ、日本って騒がしい国なのか?」
無視して寝ようと思った矢先――――
ドガァァン
「え。」
木に何かが激突したらしく不運なことに木に座っていた彼女はバランスを崩してさかさまに落ち――――
なかった。
隣の木に飛び移り体制を立て直したので怪我はしなかった。
「あぶなかった…うわっ、冷や汗。」
何が起きたのかわからなかった。
木の下を見たら――――自販機。
「……なぜ自販機?」
その時、またしても何かが自分に向かってきた。
「え。やばっ」
ガッ
鈍い音を立てて自らの腕で防いだベンチ―――だったもの。
ひどくひしゃげていた。問題はなぜさっきから物が飛んでくるのか、
また、腕がビリビリ痺れていることだ。
とりあえず足元がしっかりしている地面に下りる。
そんなに高い木じゃないから―――といっても4メートルあるのだけど――――危険ではない。彼女にしてみたらの話だが。
「よっこらせ…っと。…あ?」
前を向いたら男が二人。
一人は全身黒ずくめでナイフ片手にニヤニヤしていた。
もう一人は金髪でバーテン服、グラサン、くわえ煙草、手には自販機。
イライラしているようだ。
急に木から降りてきたからなのか、騒音の原因であるだろう男二人がビックリしていた。
「お邪魔しました。どうぞ続けてください。」
笑顔でサラッと言い歩き出した。
「あーあ、あの子、静ちゃんのせいで腕、怪我してるー。」
彼女からしたらそんなに大した怪我じゃないのだけど金髪の人は動揺し、自販機を置いてから近づいてきた。
「あの…。」
申し訳なさそうに言う金髪に少し子犬のようだと思った彼女。
「大したことはないですよ」
だって吸血鬼だし。
「いや、知り合いに医者がいるんで診てもらったほうがいいっすよ」
やはり子犬だ。尻尾があったならば地面に着きそうなくらいに垂れているだろう。
「うーん、あの黒い人逃げたけどいいんですか?」
後ろを指さすと金髪の人は「あのノミ蟲…」と低い声で唸ってから
「とりあえず…その…医者に診てもらったほうが」
そこまで言われたらなんか断れなくなって
「あー…はい。でもどこですか?」
と言った。
すると申し訳なさそうに彼は言った。
「すみません。ここからそんなに遠くないっすから」
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クッキー - 続きすごく気になります。更新頑張って下さい。 (2015年11月3日 0時) (レス) id: dcb396dc31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒狐玄狼 | 作成日時:2012年4月7日 23時