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渡瀬said
昨日，実家に帰ったものの、特にやることもなかったので、そのまますぐに寝てしまった。
だから、「いい加減にしてよ！！」と言う叫び声が聞こえてきた時はかなり驚いた。
慌てて下に降りていくと，そこには物凄い剣幕をした妹と，涙を浮かべている母、その2人を見て呆然としている兄と父の姿があった。
『ねぇ、お兄ちゃん。何があったの？？』
兄「……あぁ。Aおはよう。実は___」
そう言って兄が話し始めた内容は私にとって、にわかに信じがたい話だった。
今から10分前____
家族はいつも通りの朝を迎えていた。
もちろん、妹への過保護具合も。
しかし、この日はいつも以上にうるさかったらしい。
「美春，危ないだろ！皿なんて持ったら。お父さんが運ぶから座ってなさい。」
「そうよ！美春ちゃん、私たちがやるから座ってて！ジャム何がいい？」
「美春，お兄ちゃん今日有給取ったから、一緒に遊ぼ！何したい？？」
私が今聞いても思わず身震いしてしまう。
こんなに自由を奪われたらどんな気持ちになるのか……
考えただけで恐ろしい。
すると突然妹が立ち上がり、
妹「いい加減にしてよ！！！」
と言ったところで私の目覚めにつながる。
部屋は普段の様子からは想像できないくらい静かだった。
沈黙を破ったのはもちろん妹だ。
妹「もう限界！一体いつまでこんなこと続けんの？？言っとくけど私，もうとっくに立ち直ってるから！！それをごちゃごちゃごちゃごちゃ………。仕事？？行けばいいじゃない！学校？？通えばいいじゃない！いつまでも私のこと可哀想な子扱いしないで！！うざい！！だからお姉ちゃんだって出てったんだよ！！………私ももう無理。限界。我慢できない。こんな家出てっやるんだから！！」
妹は一気に捲し立てると、私の手を引きリビングを出た。
玄関には何故か私の持ち物と，大きなキャリーバッグが。
妹は私に荷物を持たせると、再び私の手を引いて家を出て、ズンズンと先に進んでいく。
怖くなった私は慌てて妹に声をかける。
『ちょっと、美春！待ってよ！！』
妹「……何？」
『いや、何？じゃないよ！………ねぇ、今戻ればまだ間に合うから，早く家戻ろ？』
妹「はぁ………。お姉ちゃん私の話聞いてた？？私はあの家を出てくの。もう戻るつもりはない。」
「だからさ、お姉ちゃん一緒に住んでくれない？？」
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作者名：cocoa | 作成日時：2021年5月9日 13時
