ドナドナ (ページ40)

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７つ目のコメントページ40

しばらく住まわせてもらったが、不自由な点は一切なかった。お陰で、戦った時の傷はほとんどが消えた。だが、新たについた復讐への火種は、一切消えることは無かった。俺は決めていた。今度は俺が人間を利用してやろうと。既に、調べはついていた。もうすぐ、俺達が攻撃した街と隣街が合併することも。そして、隣町にも、動物ショーのようなものあり、それも合併することも。そして、合併した後に使われるのがあの攻撃した場所だということも。つまり、隣町の動物ショーに入り込み、合併した所を狙い、潰すということだ。ヴォルには申し訳無いくらいお世話なった。今度は俺がロックスの仇をとったことを土産に帰ってやろう。
俺は、夜中にこっそりと抜け出そうとした。すると
雌牛「もう、行くのね。」
お世話になっていた雌牛に呼び止められた。
ガイウス「すまない。起こしてしまったか？」
雌牛「いいえ。私はなんでも知っているのよ。あなたが夜こっそり抜け出して、街に偵察に行っているのも。別の日の夜にはこっそり鍛錬している事も。」
ガイウス「なら、俺を止めるのか？」
雌牛「いいえ。止めはしないわ。だけど、これだけは忘れないで。あなたの家はここにあるよ。ここには、家族がいるってことを忘れないでね。」
ガイウス「…。」
俺は、覚悟を決めて言った。
ガイウス「行ってきます。」
そう言い、森を駆け出した。だが、その時俺は知らなかった。実は、雌牛とロックスの間に子供がいたことを。そしてその事を知ったのは、皮肉にも人間の娯楽として、闘牛として舞台に立っていた時の話だった。

〜回想終わり〜

だからこそ知っていた。人間に逆らった時の恐ろしさを。そして、こいつだけにはそんな目にあって欲しくなかったのだ。俺は、人間の駒になりたい訳では無い。だが、新たに生まれた家族を守ってやりたい一心だった。だが、こいつはそんな俺の思いすら超えてしまったのだ。ロックス。お前の息子に殺されるのなら本望だ。英雄よ。どうか、心ゆくまで生きてくれ。そして、自由を掴み取ってくれ。

Fin