続き ページ39
声にならない叫びが、喉を、肺を、口を込み上げてくる。ロックスが死んだ。信じられなかった。
ヴォル「仕方がない!撤退だ!」
ガイウス「でも!ロックスが!」
ヴォル「お前まで死んだら俺はどう責任を取ればいいんだ!」
ヴォルの言葉に息を飲み込む。
ヴォル「あいつは、リーダー格の人間を殺した。目標は達成した。もういいんだ。ロックスに頼まれたんだぞ。お前を任せたって。逃げるんだ。もう終わったんだ。」
俺は、悲しみが溢れながらもその場を去った。後ろは振り返らなかった。ヴォルが仲間に合図を取り、撤退を始めた。そして、ある荒野の一角で休むことになった。
ヴォル「ここに、我々の仲間であり戦友(とも)であるロックスが亡くなった。彼は、銃を持つ人間と勇敢に戦い、そして美しく散った。彼の魂が安らかにいられるように心から祈ろうではないか。」
あの時と同じだ。ゲパルトとリノが殺された時と。何も聞こえない。何もやりたくない。己の力の無さが憎い。もしあそこで、あの人間を仕留めてさえいれば。もしあそこで、来ている人間に気づけてさえいれば。もしあそこで──。だめだ。もう起こってしまったことは変えられない。俺はこれからどうすればいいのだ。いつもなら、ロックスについて行ってた。ロックスについて行けば楽しいことだらけだった。もちろん、苦しい時もあったがロックスがいれば全く関係なかった。本当に自分で何をしたいのかわからないのだ。
しばらく歩いていると、ヴォルに話しかけられた。
ヴォル「お前、今、住むとこないだろう?」
ガイウス「ああ…」
ヴォル「俺らの森に来るか?心の整理ができるまで時間がかかるだろうし、住む場所も新たに見つかるまで俺らと共に暮らさないか?」
ガイウス「悪いが、そんな気分じゃないんだ。もう死んでもいいくらいだ。」
ヴォル「それはだめだ。死んだら、ロックスが喜ぶのか?ロックスはお前が死ぬことを望んでいるのか?」
違う。そうではない。
ヴォル「よく考えろ。ロックスが命を懸けて守ったものを。」
違う。俺が望んでいるのは、そんな事じゃない。ロックスが隣にいて欲しい。ヴォルには申し訳がないが、俺のやることは決まった。
ガイウス「…復讐だ。」
ヴォル「どうした?」
ガイウス「何でもない。少しの間、住ませてくれ。」
ヴォル「ああ。ようこそ、小さな戦友よ。」
続く
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不登校の自殺志願者 - コメ欄から来ちゃいました!!いやぁー凄いですよね。めちゃくちゃ続いてる。私が見た時は500コメ超えてました。 (2019年5月15日 11時) (レス) id: fed8378344 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コメ欄の作者達 | 作成日時:2017年8月17日 22時