〈文スト 〉口付けは蜜よりも甘く

クイズは好きかい？5(ゴーゴリ) ページ29

「だって最近、Aちゃん僕に構ってくれないんだもん。ドス君とばっかり話してさ」
ゴーゴリは、寂しかったと言わんばかりに、もっと私に身体を密着させようとする。
その様子は、まるで子供が長い間離れていた母親に甘えている様だった。
「・・・もしかして、妬いてるの？」
私がそう問うと、少し考え込む様に沈黙が流れ、「・・・別に」と、素っ気無い答えが返って来た。
如何やら、ゴーゴリはフョードルに嫉妬していたらしい。
その証拠に、「Aちゃんはドス君と〜」云々と口の中でもごもごと、呟いている。
そんなゴーゴリが可愛く見えて、思わず吹き出してしまった。
「なっ、何で笑うんだいAちゃん？！」
「否、別にー？ただ、可愛いなーって思って」
私は、恥ずかしそうに頬を赤らめるゴーゴリを見上げて、ニヤリと笑った。
ゴーゴリは、一瞬、鳩が豆鉄砲を食った様な顔をしたが、直ぐにそれは困惑の表情に変わった。
「えっ、Aちゃん？も、もしかして寝惚けてる？」
そんなに、私が可愛いと言った事が珍しかったのだろうか。
・・・何にせよ、失礼極まりない。

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