〈文スト 〉口付けは蜜よりも甘く

クイズは好きかい？1(ゴーゴリ) ページ25

「おっはよ〜うAちゃ〜ん！！」
よく晴れた休日の朝。自室ですやすやと気持ち良く寝ていた私を起こしたのは、聞き慣れた男の声だった。
「・・・・・・んん」
私はその声を無視し、寝返りを打つ。
「あれ〜？Aちゃ〜ん、朝だよ起きて！」
何も聞こえないフリをして、再び無視をする。
相手にしたが最後、面倒臭い事になるのは目に見えているからだ。
それに、私は睡眠時に誰かに起こされる事が、堪らなく不愉快で大嫌いだからだ。
「ねェ〜！起きてってば〜！」
なかなか起きない私に、遂に業を煮やしたのか、其奴は私を揺さぶり始めた。
それに腹が立った私は、「んー！！！！」と寝起きの低い声で唸る様に言い、腕を押し退ける。
「・・・全く、困った娘だねェ。そんなに目覚めのキスが欲しいのかい？」
困ったとでも言う様に、其奴は溜息混じりに言う。
「要らない」と言って起きれば問題は無かったのだが、それすらも面倒だった私は、またしても無視を決め込んでしまった。

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