貴方に溺れて5(太宰) ページ14
『・・・むぅ、仕方ないね。蟹缶を食べられる前に戻るとするか』
意外にもあっさりと、太宰さんは入水を諦めてくれた。
____だが、おかしい。あの人がこんなにもあっさりと、入水を諦めてくれる訳がない。・・・私の考え過ぎかもしれないが。
「本当に戻って来て下さいよ?」
『Aちゃんは心配性だねェ。安心し給えよ。ちゃんと戻るから。・・・Aちゃんが、私を名前で呼んでくれたらだけど』
最後の言葉で、私は思わず軽く吹き出すところだった。
「なっ・・・?!馬鹿な事言ってないで、早く戻って来て下さい!!」
心臓がドクドクと大きな音を立て、顔が熱くなっていく。
『私の名を言えば直ぐに済む話だよ?』
確かにそうだが・・・、人前で言うのは気が引ける。
それに、『私達』が付き合っている事を探偵社の誰一人にも言っていないから尚更だ。
名前を呼べば、関係を疑われる可能性がある。
私は困って、国木田さん達と携帯を交互に見た。
二人は、不思議そうに首を傾げて私を見つめている。
『ほら、言ってご覧?さーん、にーい、いーち、はい!』
無情にも、唐突に始まったカウントダウンは直ぐに終わってしまった。
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聴(プロフ) - テツさん» うわぁぁぁぁ最高........!ありがとうございます! (2018年3月10日 23時) (レス) id: 2084af5cf6 (このIDを非表示/違反報告)
テツ(プロフ) - 聴さん» ゴーゴリと夢主のお話ですね・・・!了解です! (2018年2月8日 19時) (レス) id: d776172fc0 (このIDを非表示/違反報告)
聴(プロフ) - ゴーゴリと猫系夢主のお話みたいです....!いつも口面つけてるっていう設定があると尚(ごめんなさい完全にうちの夢主でした黙ります) (2018年2月7日 12時) (レス) id: 2084af5cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Sea - ア゛ア゛ア゛ゴーゴリさんしんどい (2018年1月27日 9時) (レス) id: c676ee4e9b (このIDを非表示/違反報告)
テツ(プロフ) - 奈槻さん» 有難うございます!!楽しみに待っていてください! (2018年1月23日 9時) (レス) id: d776172fc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テツ | 作成日時:2018年1月14日 19時