〈文スト 〉口付けは蜜よりも甘く

貴方に溺れて2(太宰) ページ11

「それに、何度掛けても彼奴の携帯に繋がらん。糞ッ、彼奴は何故、こうも俺の理想を狂わすんだ・・・！！」
国木田さんは、嘆きながら眉間に深く刻まれた皺を、ほぐすように揉む。
＿＿＿＿朝から大変だなァ、国木田さん・・・。
最早、日課レベルで太宰さんに振り回されている気がする。
「・・・一応、私からも太宰さんに電話してみますね」
とりあえず、私も駄目元で、自分の携帯で太宰さんに電話を掛けてみた。
プルルルル＿＿＿＿
プルルルル＿＿＿＿
「どうせ、彼奴の事だ。出んだろう」
国木田さんが呟くのと同時に、『たっだいま入水するので、電話に出る事がァ出来ませ〜ん！』
とやけにテンションが高い、太宰さんの声が電話越しに聞こえてきた。
「何が、『出る事が出来ませ〜ん！』ですか！電話に出てるじゃないですか太宰さん！」
「何ィ？！！彼奴が出ただとォ！！？」
私の言葉を聞いた国木田さんが、そんな馬鹿なと目を見開いて、私の手元の携帯を見る。
「太宰さん、今何処の川に居るんですか？！国木田さん怒ってますよ！」

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