Q9:マネージャーになって ページ10
「んで?赤司。如月に何かあるんじゃないのか?」
虹村くんの言葉で赤司くんは動きを止める。
赤司くんはチラッと私を見ると、小さく息をついた。
「……如月先輩。帝光中男子バスケ部のマネージャーになっていただけませんか?」
「……えっ?」
「あ、赤司。まさかとは思ったが……本気か?」
「本気です。ウチではマネージャー経験者は新入部員の中にいませんからね」
「……確かに。上級生は去年卒業しちゃったし……経験あるのは、2年だけど、教育係になる人員が避けないし……」
「だから、あなたが必要なんです。如月先輩」
「私?」
「あなたがマネージャーとして、こちらに入れば、多少は事がスムーズになります」
「……女子バスケ部のキャプテンには相談しておく……」
「お願いします。できれば、俺達が軍分けされる前に」
軍分け……。
男子も女子も、入部して、実力があればレギュラーになる。
逆になければ……2軍か3軍。
そして、3軍なら上がれなければ……。
(2軍だった私は、人よりも練習するしかなかった。暇を見つけてできたのが、ドリンク作りだけど……)
私はそこまで考えて、目を伏せた。
(赤司くんは間違いなく、レギュラー獲得だ……私よりも練習はハードになる。練習量が少ない女子は休みがち……それなら……)
「如月先輩。別に、女子バスケ部を辞める必要はありませんよ」
不意な赤司くんの声に顔を上げる。
そこには、虹村くんと赤司くんが微笑んでいる顔があった。
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年11月20日 16時