Q46:眼鏡 ページ47
翌日、俺は如月さんの家の前にいた。
朝は早いが、如月さんは玄関から出てくる。
その姿は制服だ。
「あれ、赤司くん……?」
「おはようございます」
「お、おはよ……あ、そうか。"今日から逆"なんだ」
「はい」
如月さんの言葉に俺は頷く。
如月さんが言う逆とは、今日から3日、練習が逆になる。
つまり、今日から男子バスケ部の練習はなく、女子が練習を行う。
俺は数日だけ、女子バスケ部のマネージャーということだ。
「赤司くんはちゃんとマネージャーするの初めて?」
「はい」
「仕事は学校に着いたら、他の人達にも割り振るけど……最初は体育館のモップがけね。それが終わったら、道具を出して……」
俺は如月さんの話を頭に入れながら、如月さんを見つめる。
昨日のが影響しているのか、目元が少し赤く腫れていた。
それは如月さんもわかっているのか、普段はしていない眼鏡をかけている。
「……と。赤司くん?」
黙って見ていることに気づかれたのか、如月さんと目が合う。
すると、如月さんは眼鏡に触れる。
「もしかして……似合ってない?」
そう言って小さく笑う。
俺は慌てて首を振る。
「すみません。その逆なんです。とても似合っていてその……」
俺はそこで言葉を詰まらせた。
そして、あることを思い出す。
俺に抱きついていた少女は、眼鏡をかけていたことに。
「ふふっ。ありがとう」
如月さんはそう言うと、俺の少し先を歩く。
俺は如月さんに聞こうかを迷ったが、口を開いた。
「……如月さんは、目が悪いんですか?」
「あ……うん。実は遠くが見えにくいの」
如月さんはそう言って、小さく笑う。
その表情は昨日の件から、無理してるんじゃないか……と考えてしまうが、小さく頭を振り考えないようする。
如月さんがそのことに触れないんだ。
俺が干渉することじゃない。
そう思い、俺は話題を探す。
だから、このときの俺は気づかなかった。
如月さんの……俺を見る表情に。
※
1300hit越え、ありがとうございますm(_ _)m
赤司視点が伸びました……( ̄▽ ̄;)
ここからはAさん視点……
と行きたいところですが、長くなりそうなので、自作に繋がる設定を書いて、続編へと行きたいと思います。
次は私からお知らせですm(_ _)m
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年11月20日 16時