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Q41:"セイちゃん" ページ42

(そういえば、こんなこともあったなぁ……)

私個人としては、思い出したくない出来事だ。
でも……なんでボロボロになったんだっけ?
なんか、誰かと喧嘩したんだよな……。

「……お前、白いうさぎのぬいぐるみ、大好きだったよな。だから、先生達が預かるとか言っても、絶対に渡さなくて」

「うっ……だって、先生達に渡したら、捨てられちゃうと思ったから……」

「でも、ある男の子には渡したよな」

「ある男の子?私、虹村くん以外に、このぬいぐるみを渡してたの?」

「渡すってより、押し付けてた。お前に聞いたら、『可愛い子だから、良いの!貸すの!』って」

「あ……」

虹村くんの言葉で、私はそのときのことを少しだけ思い出した。
確かにそうだ。
当時、女の子が私のぬいぐるみを見つめていた。
私はそれに気づくと、「抱っこしてみる?」とぬいぐるみをその子に差し出す。
でも、その子は首を横に振り、「いらない」と頑なに拒んだ。
私は少しムキになってしまい、その子にぬいぐるみを押し付けたんだけど……。
逆上させてしまい、その子はぬいぐるみの手足やら、首やらをもぎ取ってしまった。

「……そのあと知ったけど……その子、女の子じゃなくて、"男の子"だったんだよね」

「そういえば、そうだったな。お母さんらしい人に呼ばれてたのは……」

「"セイちゃん"」

「そうだ。それにも怒ってた。男なんだから、やめてくれって」

「可愛いのにね」

「それはお前が思うだけだろ」

「あはは……」

私は苦笑いを漏らすと、再び写真を見つめた。
その後、母から聞いた話では、風邪などで度々セイちゃんは休みがちになってしまい……。
結局、セイちゃんは数回しか保育園に顔を出さず、そのまま卒園してしまったらしい。

「……そういえば、セイちゃんって、私達の1つ下だよね」

「あ?……確か、そうだな。急にどうした?」

赤司くんなら、セイちゃんのこと、何か知ってるかな?
でも、どうやって切り出す?
"私達の1つ下で、体弱くて……"なんて言う?
無理だ。
言ったところで、どうして気になるとか言われる。

(……久しぶりに会いたい。今何してるか気になる……そんな言葉でも、赤司くんにはすっぱりと切り捨てられそう)

「……ごめん。何でもない」

私は虹村くんに微笑み、アルバムを元の場所に戻した。
それから、虹村くんは帰ると言うので、玄関まで見送りに行った。




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あ、ありがとうございますぅ(´TωT`)

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設定タグ:黒子のバスケ+オリジナル , , 二次創作   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年11月20日 16時

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