Q16:ラッキーアイテム ページ17
保健室に着いて、扉をノックすると、先生が扉を開けて中に入れてくれた。
「如月さん。バスケ部の後輩達がお見舞いに来てくれたそうよ?」
「後輩達?」
先輩の声がすると、カーテンが開いた。
が、すぐに閉じた。
「如月先輩?」
「ごめん……その……うわっ!ちょっ、何!?」
「え〜?顔が目えないと、お菓子とかあげにくいじゃ〜ん」
紫原が保健室とはいえ、女性の寝ているベッドのカーテンを開けるとは思ってなかった。
紫原が中に入ったことで、青峰と桃井、緑間が続く。
「残されたのは俺だけか……」
呟きながら中に入ると、如月先輩がベッドに腰をかけて痛めた足を下ろしている姿が目に入った。
セミロングの髪には少し寝癖がついていて、ちょっと幼く見える。
「先輩、何か食べましたか?」
「赤司くんにメールするまで寝てたから……」
なるほど。
つまり何も口にしてない……と。
俺はため息をつくと、桃井に顔を向けた。
「赤司くん……アレだね」
「ああ。頼む」
俺は頷くと、先輩に顔を向け直した。
先輩はというと、緑間から奇妙なアイテムを受け取っていた。
「先輩。それは?」
「おは朝占いっていう、番組で……今日の私のラッキーアイテム?らしいの」
「今日の先輩のラッキーアイテムは、天使のストラップなのだよ」
「……緑間。先輩の占い結果は?」
「4位で『ボールに縁がない。今日1日は安静にすること』と出ていたのだよ」
ボールに縁がない……。
まさか、その占いとやらのせいか?
「そんなん、関係あんのか?」
青峰がめんどそうに呟いた。
「確かに〜。関係性は薄いよね〜」
続いて、紫原が口を開く。
というか、先輩に近くないか?
当の先輩はというと、紫原達をただ見つめている。
「先輩?」
俺が声をかけると、先輩は小さく笑った。
「赤司くんの周りは賑やかで、良いね」
「どうしたんですか?」
「なんでもない。ただ、純粋にそう思ったんだ。男子は良いなぁって……」
先輩の言葉に紫原が反応する。
「俺らが羨ましいの〜?」
「そうかもしれない……。男の子ってさ、壊れた友情とかも直る場合あるじゃん?女子はそうもいかないときがあるから……」
そう言う先輩の顔は、少し寂しそうに見えた。
※
作者のアマユリです。
こんなところですみませんm(_ _)m
この度、評価をいただきました♪
驚いたのと同時に、嬉しくて、少しばかり興奮してしまいました。
そして、遅くなりましたが、300hit越えもありがとうございます♪
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年11月20日 16時