命の価値 ページ10
『杏寿郎は可愛い、特にお芋を頬いっぱいに詰めて食べている姿は死ぬ程可愛い。』
「その話しもう59回目なんだけど!?」
『なら転んだ時の「その話も20回は聞いてる。」
『…。』
「あのなぁ…弟って言ったって男だぞ?流石にそこまでベタベタされたら愛想尽かされるぞ?」
『ぇ…。』
Aは絶望的な表情を浮かべ、持っていた魚の串焼きは地面へと落ちてしまった。
「ちょっそんなに!?うそうそ!冗談だよ冗だ(ジャキッ)っーー!?」
苦笑いを浮かべる茂利にAは刀を向けた。
『面白くない冗談。』
「おまっ!?仲間同士でそれはないだろ!?」
『…仲間?どこに?』
刀をしまうとAは茂利に首を傾げる仕草を見せる。
「え、いや…俺と君、のつもりでいったんだけど?」
『ふふっ、あはははははっ!!』
どこか気味の悪い笑い声をあげるAに茂利は血の気がサァっと引いてゆく。
『はぁー・・・勘違いしないで。』
「っ!」
『貴方を助けたのは、私の気まぐれだし、貴方が弟を思う気持ちを尊重しただけで、貴方自身に髪の毛一本分の興味なんてない。』
「え…あ…。」
まるで異物を見るようなAの視線に耐えきれなかった茂利は顔を背けた。
『…違う。』
「へっ?」
考えを改めてくれたかと思いAの顔を見ると何か考えるような仕草をとっていた。
『貴方に興味がないんじゃなくて、私の弟と家族以外は死のうが鬼に喰われようが全くもって興味が無いの間違いだった、ごめんなさい。』
「は…?」
『あ、れ…それも違う。そう…私は死ぬ、必ず。弟の為に死ぬ。それくらいしか、私の命は使い道がない。だから他に気にかけている余裕がないだけ、だ。』
この時初めて茂利はAに同情の目を向けたのだった。
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あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時