守る ページ4
杏寿郎の出産からAは率先して瑠火の手伝いや杏寿郎の面倒を見ていた。
「あーあー、うーうー」
『杏寿郎!!』
しかしある日、杏寿郎がつかまり立ちを覚て徐々に短い距離でも歩けるようになり始めた頃に事件は起きた。
その日は肌寒く、火鉢で暖を取っていた。
杏寿郎はAの元へと覚束ない足で歩み寄ろうと、近くにあった火鉢の台に手を乗せた時に荷重がかかってしまい、火鉢が杏寿郎にひっくりかえりそうになる。
とっさに危ないと判断したAは杏寿郎を押し倒して自分から熱い炭と灰に覆われたのだった。
ぎゃあぁああっ!!
Aの叫び声と杏寿郎の鳴き声に何事かと瑠火が慌てて駆け寄ると、そこには背中から顔にかけて燃えているAと、そのAを見て泣き喚いている杏寿郎の姿があった。
瑠火は状況を判断すると、ためらう事無くAの背中ある炭を素手で火鉢に投げ入れ、燃える火を叩いて何とか消し止めたのだ。
「何があった!」
「槇寿郎さん!今すぐ医者を!」
「わ、わかった!」
同じく声を聞きつけた槇寿郎が光景を目の当たりにするも、瑠火の指示により急いで医者を呼びAと杏寿郎を診てもらったのだった。
「先生、二人は大丈夫でしょうか?」
「息子さんは驚いて泣いただけでしょうが、娘さんの方が酷い…顔の半分から左肩まで範囲がありました。最悪の場合、左目は失明している可能性もあります。」
「そんなっ!!」
「彼女をあまり責めないであげてください、きっと御キョウダイを守ろうと必死だったのでしょう。」
槇寿郎は疲れて眠るAの頭を優しく撫でる。
「・・・でも先生、少しは跡が残らないようにはできませんか?嫁入り前の娘なんです。」
「そうですね・・・ここまで深いと正直残らないようにするのは難しいですが、目立たない様にするための薬を処方して後日お持ちいたします。」
「お願いします!!」
二人は頭を下げ何度も感謝の気持ちを述べて先生を見送った。
447人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時