鬼-2 ページ23
「おいおい…嬢ちゃん、鬼は頚を斬らないと死なないって習わなかったか?」
「俺達を両断した所で、頚が繋がっていれば身体なんていくらでも再生できんだよ?」
グググっと生々しい音を立てて鬼は分裂したまま体を再生させる。
いくら強い姉上でも、一人で十二鬼月を二体相手にするなんて無茶だ!
「姉上っ」
『杏寿郎、寒いからコレを着て待っててくれる?』
「でもこれはっ」
しかし姉上は父上からもらった朱雀の刺繍がされた羽織を俺にかけると、先程とは打って変わって安心させる様に微笑みを向けてくれた。
「っ姉上!後ろ!」
『はぁ・・・、大人しく待っていればいいものを。』
迫りくる鬼が見えて慌てて姉上に知らせると姉上は一瞬で鬼を弾き飛ばした。
『杏寿郎、私がどのようにして鬼と戦っているのか話した事が無かったよね…この際だから良く見ておきなさい。』
「は、い。」
稽古では見れなかった姉上の殺意を持った闘気に息を飲む。
ドンッと空気を突き破る様な音と共に姉上は鬼の元へと一瞬で移動して襲ってきた鬼の体をいとも簡単に細切れにしたのだ。
一体目を倒したと思ったが、何故か鬼の身体は再生し始める。
何故だ、あんなにも細切れにされて頚も斬れているハズなのにっ!
そうか、あの鬼は分裂しているから片方が生きていると無限に再生してしまうのか!
「姉上ぇ!その鬼はっんぐ!?」
「おぉっと、悪いがそうはさせないぜ?」
気配に気づかなかった!
いや、わからなかった。
俺は鬼に口元を簡単に塞がれ、呼吸すら遮断されてしまう。
マズい。このままでは意識がっ
苦し紛れにもがくも。俺の力では鬼の腕は振り解けず遠くなる意識に諦めかけた時だった。
鳶のような鳴き声と共に炎が駆け巡り、気が付けば鬼は何処にも居なかった。
『杏寿郎っ!!』
「姉上っ?」
俺は姉上に強く抱きしめられていて、ポタポタと上から温かいものが頬に落ちてきた。
『良かった、本当にっ良かったっ』
「姉上?泣いておられるのですか?」
『この大馬鹿者!』
姉上の顔に手を伸ばそうとしたら、肩を掴まれ叱責される。
『私が杏寿郎を見つけられたからいいものの、一歩でも遅れてたら杏寿郎は死んでたんだよ!?』
「うっ、ごめんなさいっごめんなさいっ!!」
あまりにも必死な姉上の言葉に俺は己がしてきた事に一気に後悔の波が押し寄せた。
(杏寿郎を鬼の手から救った技は主人公のオリジナルの炎の呼吸、拾ノ型朱雀です。)
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あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時