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芽吹の春 ページ20

Aが鬼殺隊に入ってから3度目の春を迎えた頃、煉獄家に新たな命が産まれようとしていた。

Aと杏寿郎は別室で待機するように伝えてから数時間、屋敷中に産声が響き渡った。


「これは…?」

『産まれたよ、キョウダイが。』

「は、本当ですか?」

「A!杏寿郎っ!産まれた!弟だ!」


実感が湧かない杏寿郎はどこか茫然としたまま槇寿郎とAと共に瑠火の元へと向かったのだった。


「A、杏寿郎…こちらへ。」


瑠火に呼ばれて杏寿郎はAに連れられ腕の中で静かに収まる新しい命を覗き込んだ。


『わぁ、産まれた時の杏寿郎にそっくり。』


ツンツン赤子特有の柔らかい頬を突くとぱちっと大きな瞳が開かれる。


『ぷはっ!流石煉獄の血ですねっ』

「ふふ、そうね。ねぇ、A…この子の名前をまたあなたにお願いしても?」

『よ、よろしいのですかっ?』

「勿論です。」

「また?」


杏寿郎は一体どうゆう事なのか理解できず、首を傾げた。


「杏寿郎…貴方の名前も、Aが考えて付けてくれたのですよ。」

「そうなんですか!?」

「こら、大声を出すな杏寿郎!」

「そうゆう槇寿郎さんの方が、大きな声を出しているではありませんか。」


瑠火の腕の中で、槇寿郎の声に驚いて泣き出してしまった我が弟に手を伸ばして抱き留める。


『よしよーし、お姉ちゃんが来たから大丈夫だよ・・・千寿郎。』


優しい声色で名前を紡ぐと、千寿郎は泣き止んでAの顔を見上げた。


「千寿郎…またいい名前を頂きましたね。」

「あぁ、とってもいい名前だ。」


こんな幸せがいつまでも続けばいいのにと涙を堪えながら槇寿郎は瑠火の肩に回した手に力を込める。
そんな槇寿郎の気持ちを察した瑠火はそっとその手に己が手を重ねて微笑みを向けた。

俺の姉上→←不安



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あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時

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