後日談8 ページ49
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コネシマさんと二人でお城に戻りダイニングルームに案内されると、グルッペンさん達が勢揃いで迎えてくれた。
食事の右隣の席にはコネシマさん、左隣にはゾムさんだ。
「A、これ美味しいで！」と、ゾムさんが次々とお皿の上に料理を乗せていく。ゾムさんが隣の席に座っている時点で嫌な予感はしていた。
胃がやがて限界を迎え、賑やかな食事の席からこっそり抜け出すと、私はバルコニーで夜風に当たっていた。
ゆっくり息を吐きながら星空を見上げる。
すると突然、私の横に誰かが立った気配を感じた。
振り返るとそこにはコネシマさんの姿があった。
kn「A、こんなとこにおったんか」
「コネシマさん。少し夜風に当たりたかったので」
kn「俺も一緒にええか？」
「どうぞ」と言って私は隣を空けると、コネシマさんは手すりにもたれ掛かるように立った。
「そういえば指輪、いつから用意していたんですか？」
kn「前から頼んでたんやけどな、完成がギリギリやって。Aと城下町に行った時にやっと受け取れたんや、間に合って良かったわ」
きっと城下町でコネシマさんと逸れた時の事だろう。
kn「A、W国はどうやった？」
この国で過ごした時間はたった1日だけれども、私が今まで見てきたどの国よりも大好きだ。
きっとそれはグルッペンさんを中心にコネシマさん達が必死に築き上げて来たからだろう。
「…とても素敵な国だと思いましたよ。街も景色も国民の人達全てが。今日この国に来ることが出来て本当に良かったです」
私のその言葉を聞いて、コネシマさんは嬉しそうな表情を浮かべた。
「それと今後の事なんですけど…退職願を上司に突き付けるまで、もう少しだけ待っていて下さいね。家は定期的に掃除をしに帰らせて貰えたら良いので」
「俺はいくらでも待つで」と言って、コネシマさんは私の手を取り、左手の薬指に嵌められた指輪にキスを落とした。
そして私達の視線が交わり唇同士が触れそうになると、背後からガタッと大きな音がした。
私とコネシマさんは慌てて振り返ると、どうやら鬱さん達が私達の話を盗み聞きをしていたようだ。
私達に気付かれた鬱さん達は「僕達のことは気にせんと続けて？」と、言いながら含み笑いをする。
kn「お前ら見世物ちゃうねんぞ！」
コネシマさんは照れ隠しに私の背中を押しながら部屋の中へと戻ろうとする。
左手薬指の指輪が、キラリと光の反射で輝いた。
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