後日談7 ページ48
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城下町を一通り満喫すると「行きたい所があるんやけど、行ってもええ？」と、コネシマさんが言うので私は頷いた。
行き先が分からないのでコネシマさんの後を着いて行くと、そこは丘の上にある教会だった。
丘には花々が咲き誇り、教会を囲むように木々が生い茂っている。
「勝手に入ってしまっても良いんですか？」
kn「ここはもう全く使われてへんから大丈夫やで」
その教会の扉を開けて中に入ると、そこには沢山の花々に彩られた空間が広がっていた。
全く使われてないにしては、綺麗に手入れが行き届いている。
天井は高く、ステンドグラスからは太陽の光が差し込んでいる。
祭壇の方まで歩くと、その奥の壁一面に絵が描かれている事に気が付いた。
その絵は天使達が描かれた物で、とても幻想的な雰囲気だ。
コネシマさんはその絵画の前で立ち止まると、私の方を振り返って言った。
「Aにこれを受け取って欲しいねん」と言って、コネシマさんが懐から取り出したのは小さな箱だった。
コネシマさんは小箱を開けると、私に中身が見えるようにして開けた。
小箱の中にはコネシマさんのスカイブルーの瞳を彷彿させられる、水色の宝石が散りばめられた綺麗な指輪が入っていた。
突然の出来事に驚いて私は何も言えずに固まっていると、コネシマさんは言葉を続けた。
kn「今すぐにとは言わん。俺はこの国を捨ててでも、Aの側に死ぬまでずっと一緒におりたいんや」
コネシマさんの瞳を見ると、真剣な表情をしている事が分かる。でも違う、そうじゃない。
「コネシマさんはこの国で必要な人です。だから国を簡単に捨てるだなんて言わないで下さいっ…！私が貴方を死ぬまで支えますから…！」
コネシマさんの手を取り必死に伝えると、コネシマさんは嬉しそうに笑った。
kn「A。手、貸して」
私は手を差し出すと、私の左手の薬指に指輪が嵌められる。
kn「似合っとるで、A」
「…指輪綺麗ですね、嬉しいです」
静寂に包まれた誰も居ないたった二人きりの教会で、私達は永遠の愛を誓い合うと口付けを交わした。
教会を出ると夕暮れ時になっていて、夕焼け空の下で見下ろす城下町の景色はとても綺麗で思わず見惚れてしまうほどだった。
そんな私の横顔を見ていたコネシマくんは口を開いた。
「そろそろ城に帰ろっか。遅くなるとグルッペン達に怒られてしまう」と、コネシマさんが言うと私達はこの場を後にした。
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