後日談2 ページ43
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W国にはどのような服装で行けば良いのか、手土産だったりあれこれ悩んでいたら、数日が経ち約束の私が初めてW国を訪れる日を迎えていた。
コネシマさんたちの服装を見ると洋装が多いから悩みに悩んで綺麗めのワンピースに決め、クローゼットで眠っていたミモレ丈のワンピースを引っ張り出した。
「うーん、変じゃないかな…」
それにしてもワンピースなんて着るのは何時ぶりだろうか。自分がワンピースを着ている姿に違和感しかない。
少し買い物に出掛ける程度なら普段はパンツスタイルだし、悲しいことにスーツが私服になっている。
コネシマさんとの待ち合わせの海に向かうため家を出ると、私は電車に揺られた。
まさか両親と最後に行った旅行先に何度も行くことになるとは、少し前の自分だったら思いもしなかっただろう。
目的の駅に辿り着くと電車を降りて、海へと向かうとコネシマさんはまだ来ていないようだった。
まだコネシマさんとの待ち合わせの時間には少し早かった。
まるで本当にデートの待ち合わせみたいだなと思いながら、コネシマさんがやってくるのをしばらく待っていると丁度約束の時間の十時になるとコネシマが姿を現した。
kn「A、遅くなってすまんな！」
「いえ、私も今来たところなので」と返すと、「ほんまは早よ来てたんとちゃうか？」とコネシマさんに指摘をされる。何で分かるのだろうか。
「まぁ、それは置いといて早速行こか！」と、コネシマさんが言う。
「…本当にこの海から行けるんですよね？」
kn「何言ってんねん、A。いつも俺、ここから帰ってるやんか」
私からしたらただ静かに佇んでいる海にしか見えないのだ。この海を飛び込むのにほんの少し勇気が欲しい。
kn「大丈夫やって、俺がいるから」
私は小さく深呼吸をして、思い切ってその海に足を踏み入れた。
──その瞬間、視界が大きく揺れた。
そして目の前には見慣れない景色が広がっていた。
ここはどこ？なんて疑問はすぐに頭の中から消えてなくなった。
何故なら私が立っていたのは先程までいたはずの場所とは全く別の世界だったからだ。
私の背後には不自然な位置にある大きな扉が構えられ、扉の周囲には機械が置かれ何処か無機質な部屋だった。
「ここがW国…なんですよね？」
kn「せやで。A、W国に良く来てくれたな！」
私は歓迎の手を差し伸べるコネシマさんの手を取り、W国への第一歩を踏み出した。
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