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「明日に備えて、そろそろ寝るかぁ」と言って、コネシマさんが部屋に戻ろうと立ち上がった。
このままだと一生後悔するかもしれない、急にそんな気がして思わずコネシマさんの腕を掴んだ。
「A、どうしたん？」と、コネシマさんは不思議そうに首を傾げた。
「あっ、あの…わたし…っ」
今、私は一体どんな顔をコネシマさんに見せているのだろうか。
きっと相当酷い顔をしているのだろう。
ボロボロと涙が溢れ出てきて、そんな私の様子を窺っていたコネシマさんが驚いた表情をしオロオロし始めた。
kn「A、どうしたんや？どっか痛いんか？お腹か！？」
「違うんです、わたし…っ、コネシマさんのことが…好きなんです…」
静寂が流れ、時が止まったような気がした。
…あぁ、言ってしまった。
コネシマさんにはこの気持ちを伝えずに見送ろうと決めていたのに。
「…コネシマさん、ごめんなさい。今の話は忘れて下さい」
私がリビングから立ち去ろうとすると「A、ちょっと俺の話聞いてや」と、今度は私がコネシマさんに腕を掴まれた。
kn「…あのさ、俺もAのことが好きやねん」
「え、本当ですか…？」
kn「嘘なんか言う訳ないやろ！この前、仕事を辞めてW国に来て欲しいって言ったのは本音や。俺はAとこれからもずっと一緒にいたいんや」
「その気持ちは嬉しいです。…でも私、両親が遺してくれたこの家を手放したくないんです」
仕事を投げ出してコネシマさんと一緒にW国に行くのも魅力的だけど、この家を手放したくないのも本当だ。
kn「…Aならそう言うと思ったわ！非番の日は会いに行ってもええ？すぐ会いに行けるか分からんけど」
「もちろん、いつでも来て下さい」
kn「今は戦争中やしAを危ない目に合わせたくないし、また落ち着いたらW国にも遊びに来てや」
「はい。コネシマさんたちが住むW国はきっと素敵な国なのでしょうね」
kn「その…じゃあ、俺ら恋人同士…ってことでええんやんな…？」
私がこくりと首を縦に頷くと、コネシマさんの綺麗な顔が近付いて来て私にキスをしようとした。
私は思わず自分の手でコネシマさんの口を塞いでしまった。
「あの、私さっきビール飲んじゃったからお酒臭いんで…！」
kn「そんなん別に気にせんでええって」
コネシマさんはクスリと笑うと私の唇を塞いだ。
それはまるでお互いの存在を自分に刻み付けるかのような、そんなキスだった。
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