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朝食を食べ終えると、私たちは準備を始めた。
大所帯なのもあり洗面所の争奪戦が勃発していた。
「先に身支度済ませといて良かったわ…」と、シャオさんが嘆いていた。
tn「Aさん、悪いけどまだやることがあるから留守番しとくわ」
zm「えー、トントンついて来んの？」
tn「W国に帰るのにまだ最後の調整が必要やからな」
「万が一家に誰かが来ても居留守をして玄関は決して開けないでくださいね」と、私はトントンさんに伝えておいた。
トントンさんを除く、私とコネシマさんたちは準備が整ったので家を出た。
電車に乗る前に駅の近くの花屋さんに寄って、墓前に供えるための花を買った。
毎年この花屋さんで用意をして貰っているので、店員さんには名前と顔をしっかりと覚えられてしまった。
しばらく電車に揺られ駅から少し歩き墓地に辿り着くと、管理人さんに挨拶をしてから両親の墓に向かっていく。
ut「お墓ばっかやなぁ」
「まぁ、墓地ですからね」
zm「夜一人で歩かれへんわ」
ci「俺も絶対無理です」
夜の墓地を想像したのか身震いをしながら言うゾムさんの言葉に、チーノくんが同意をした。
kn「ゾムのことやから幽霊も余裕で倒せそうやけどな」
rbr「試してみるか？」
shp「ゾムさんの格好良いところ見たいな〜」
zm「いやいや、普通に無理やって！」
「墓地なのに不謹慎ですよ」と言うと、コネシマさんたちは口をつぐんだ。
「着きましたよ。ここです、両親の墓」
墓石に水をかけて墓石を綺麗に洗ってやり、先程買った花とお父さんとお母さんの大好きな食べ物を置いた。
一段落をすると、私たちは両親に向けて挨拶をしていた。
さっきまで幽霊がどうの騒がしくしていたのに、急に静寂が訪れた。
ちらりとコネシマさんたちを見ると、真剣な表情をしながら両親に挨拶しているようだった。
お父さん、お母さん。私には新しい家族がこんなに増えんたんだよ。
好きな人も出来た。
コネシマさんたちのお陰で毎日が楽しいよ、どうかこれからも天から見守っていて下さいと願いを込める。
「…さて、そろそろ帰りましょうか」
少し名残惜しそうに言うと、「もうしばらくここに居ってもええんやで」とコネシマさんが言ってくれた。
「これ以上ここに居ていると、帰りたくなくなってしまうので大丈夫です」
「お父さん、お母さん。…また来年来るね」と、両親に語りかけると私たちは墓地を後にした。
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