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朝食を食べ終えると、コネシマさんたちは荷物を纏め始めた。
コネシマさんたちに私があらかじめ渡しておいた大きな袋に本来W国で着ていた服や、この国で気に入った持ち帰れそうな食べ物や物を詰め込んでいた。
私は待っている間、手持ち無沙汰で落ち着かなかったのでコネシマさんの荷造りの手伝いをしていた。
kn「Aに貰った本、大事にするからな」
コネシマさんは私がプレゼントした本を大事そうに抱えながら言った。
その本はもう何度か繰り返されて読まれている形跡がある。
「いつも大事に読んでくれていて嬉しいです。また面白そうなのがあれば見繕っておきますね」
「俺から何もあげれんくてすまんな。ほんまは服やアクセサリーとか、Aが欲しい物をあげれたら良かったんやけどなぁ…今は手持ちがないから…」と、コネシマさんが悔しそうな顔をする。
「その気持ちだけで嬉しいです。服やアクセサリーなんかより、コネシマさんの元気な顔をまた見せてくれたらそれで十分です」
「あと、合鍵を忘れずに持って帰ってくださいね。いつでも家に入ってくださって大丈夫ですから」と言うと、コネシマさんは「分かった！」と返事を返してくれた。
kn「なぁ、A」
「どうしたんですか、コネシマさん？」
「今二人やし、キスしてもええ？」とコネシマさんが聞いてくるものだから私は頷くと、コネシマさんの唇が近付いてくる。
ut「やばい、シッマ！僕まだ準備何も出来てへん！！」
慌てた様子の鬱さんが勢い良く部屋に入って来たので、私とコネシマさんは咄嗟に離れた。
kn「うわっ、大先生か！びっくりした！」
ut「僕とシッマの部屋やのに何で驚くねん…。あれ、Aちゃん？何でここにおるん？」
「暇だったのでコネシマさんの荷造りの手伝いをしていたんです」
ut「そうやったんか。なぁAちゃん、僕のも手伝ってくれへんー？」
「良いですよ」と答えると、私は鬱さんの荷物を纏め始めた。
「あーあ、大先生に邪魔されてしもた…」とコネシマさんは小さく呟いていた。
コネシマさんたちの荷造りが無事に終わると、いよいよ出発の時間だ。
荷物を抱えたコネシマさんたちと一緒に玄関に向かうと、トントンさんが待っていた。
kn「待たせたな、トントン」
tn「全員準備出来たみたいやな」
rbr「もういつでも出られるで」
コネシマさんたちは家を出ると、どこか名残惜しそうな表情で家を見つめていた。
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