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連日の出勤で日に日に死んでいく私の顔を初めて見たショッピくんは少し…いや、かなり引いていた。
shp「Aさん、顔酷いですよ…大丈夫ですか?」
「週末はいつもこんな感じだよ」と答えるとショッピくんは「えっ」と声を漏らす。
化粧をしているのに相当酷い顔してるのか私、とショックを受ける。
「そんなに酷い顔してる私?」
「はい、とても」とショッピから返ってくる。
「えー、なら仕事休んでも良いかな…」
「しっかり稼いで来て下さい♡」と、ショッピくんにハートマーク付きの可愛い激励で見送られると、今日も元気に出勤だ。
「田中さん、これ今日中によろしくね」
前言撤回、全然元気では無い。
クソ上司にいつものように定時に仕事を振られる。少しは自分でやってくれ。
人に丸投げした仕事を自分がやった風に見せかけて先方に提出しているのは知っているんだぞ。
お上の人たちも知った上でこのクソ上司を野放しにしているので、尚更タチが悪い。
泣く泣く仕事を終わらせると、時刻は午後十時。
タイムカードを押して職場を後にした。
今日は酒を浴びたい気分だったので、いつもの最寄りのコンビニでビールと肴を買った。
後もう少しで家に辿り着く…と言うところで悲しいことに事件は起きた。
?「誰か、助けて〜!」
悲痛の叫びを聞きつけて声のする方へと向かうと、そこにはご近所さんが飼っているチワワとポメラニアンに追い掛けられている男の人がいた。
「あの、大丈夫ですか…?」
?「全然大丈夫じゃない!早く“コレ”どうにかして!」
“コレ”と言うのは、彼の周りを「キャンキャン」と鳴きながらぐるぐると元気に駆け回っているチワワとポメラニアンのことだろう。
怯えている彼を除けばとても可愛い空間なのだけれども。
可愛いなぁ、チワワとポメラニアン…。
二匹の注意を彼から私に逸らさせると、二匹を捕まえて抱っこをする。
?「助かりました〜、ありがとうございました!」
「いえ、どういたしまして」
?「この子たちどうするんですか?」
「ご近所さんが飼ってる犬なので、連れて行きますね。それじゃあ、失礼します」
私が立ち去ろうとすると、「待って下さい!」と呼び止められる。
?「俺も最後まで付き合います、助けて下さったので!」
「じゃあ、これ持ってもらっても良いですか?抱っこしてると持ちにくくて」と言って、お酒と肴の入った袋を手渡した。
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