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しばらくの間、私は駅の屋根の下で雨宿りをしていたけれど雨は一向に止む気配はない。
時刻はもう日付が変わった頃だろうか。
雨が止むまで待つのを潔く諦めて濡れて帰ろうとしたところ、誰かが傘をさしながら駅に向かって歩いてきた。終電はもう終わっているのに、どうしてこちらに向かって来るのだろうか。
距離が近くなりようやくその人物を認識することが出来た。こちらに向かって歩いて来た人物の正体は、鬱さんだった。
ut「Aちゃん、迎えに来たで〜」
「鬱さん、どうしてここに？」
「だってAちゃん全然帰って来んのやもん。皆、心配しとったで」
「それにAちゃんの傘、家に置いたままやったし」と、鬱さんは付け加えた。
「なかなか止みそうに無かったので、このまま濡れて走って帰ろうとしていました。鬱さん、わざわざありがとうございます」
ut「はい、お隣どうぞ〜」
鬱さんにお礼を言い、鬱さんがさしている傘の中にお邪魔した。
「これ相合傘っていうんやろ？役得やん、僕。傘は元々Aちゃんのやけど」と鬱さんが機嫌が良さそうに言う。
前々から思っていたのだけれど、鬱さんは一体どこからその少女漫画にありがちな知識を得ているのだろうか。
鬱さんは私が濡れないように傘を持っていてくれていて、鬱さんの肩はすっかり雨で濡れていた。
鬱さんと一緒に歩きながら家にようやく辿り着くと、先に夜ご飯とお風呂を済ませていたコネシマさん、ゾムさん、ショッピくんの三人がリビングで待っていた。
kn「遅くまでお疲れさん、おかえり」
zm「おかえり！A！」
shp「おかえりなさーい」
出迎えてくれた三人に「ただいまです、遅くなってすみません」と返して、すっかり濡れてしまった鬱さんにタオルを渡す。
「鬱さん、このタオル使ってください」
ut「ありがとう、Aちゃん」
「先にお風呂入ってくださいね。鬱さん、雨で濡れちゃってるので」
ut「いやいやいや、女の子が身体冷やしたらあかんから！Aちゃん先に風呂入って来て！」
shp「大先生の言う通りですよ、Aさん。大先生なんかほっといてお風呂どうぞ」
ut「ちょっとショッピくん、僕の扱い雑すぎん！？」
shp「あ、やっと気付きました？」
kn「茶番はもうええから、早よA風呂入ってき」
コネシマさんに背中を押される形で、私はお風呂へと向かった。
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