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ut視点
シッマがトイレから帰って来てから何か様子がおかしい。
シッマがトイレットペーパーを切らして、Aちゃんに助けて貰ったって言ってたけど、トイレットペーパーを切らしたのは僕やし、補充したのも僕や。
何でシッマはあんな妙な嘘を吐いたんやろうか。
理由があるとすれば、シッマと一緒に戻って来たAちゃんやと思うんやけど。
Aちゃんはショッピくんとお風呂に向かってから戻って来るのも遅かったし、シッマと一緒に戻って来たAちゃんは泣き腫らしたような目をしとった。
僕は女の子の涙には弱いんよ。これは、当事者に話を聞かんと分からんなぁ。
Aちゃんに「そろそろ寝て下さいね」って言われたから、それぞれの部屋に移動した。
ゾムとショッピくんは別の部屋で、ショッピくんの分の布団はゾムとショッピくんの二人で運ぶらしい。
シッマにはさっきのことを聞きたかったから丁度ええわ。
ut「シッマと一緒の部屋とか嬉しいわ〜」
kn「大先生、寝相悪いからじっとしててや」
「シッマこそ寝言うるさいから静かにしててや」とシッマに言い返すと、自覚してへんかったんかシッマは怪訝そうな顔をした。
ut「え、シッマもしかして自覚してへんかった？」
「うるさい、大先生」と言って、シッマは僕に背中を向けるように寝返りを打った。
ut「なぁ、シッマ」
kn「ん？どうしたん、大先生」
ut「…Aちゃん、何かあったん？」
kn「あー…すまん、大先生。俺からは言えんわ」
大当たりやん。シッマもやけど、Aちゃんも隠し切れてへんもんなぁ。
ut「トイレットペーパーが切れてたのも嘘やもんな」
kn「なんや、気付いとったんか」
ut「だって僕、最後にちゃんと補充したもん」
僕がそう言うと、シッマは『しまった！』とバツの悪そうな顔をした。
ut「シッマが何か隠したそうにしとったから、シッマの話に合わせたんやけど。Aちゃんは泣いたんか知らんけど、めっちゃ目腫らしてたし」
kn「Aが自分から話すまで待ってやってくれへんか？」
ut「Aちゃんから話してくれるまで、僕はいくらでも待つで」
僕がそう言うと、「ありがとうな、大先生」とシッマが言った。
ut「それにゾムとショッピくんを騙すならともかく、僕を騙そうとするなんて100年早いでシッマ」
「やっぱり大先生には隠し事出来ひんなぁ」と言って、シッマは苦笑いした。何年シッマの相棒やっとると思ってるんや。
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