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今日も当たり前のように定時を迎えると、クソ上司に仕事を押し付けられ…渡されて残業をこなしていた。
仕事をようやく終わらせると、私はいそいそと帰る準備をしてタイムカードを打刻した。
現在、時刻は23時30分。
終電は既に逃していて、クソ上司を恨みながらタクシーを拾って帰ろうかと思い職場を出た。
すると会社の入口の前で、見慣れた姿を見付けた。
kn「お、やっと出てきた！A、お疲れ！今日はまた一段と遅かったなぁ」
なんと、コネシマさんがいたのだ。職場の場所までは知らないはずなのに。
「コネシマさん、どうしてここが分かったんですか？」
「Aの名刺、リビングにあったから住所調べたんや」と、コネシマさんは私の疑問に答えてくれた。
kn「いつも帰ってくる時間になってもなかなか帰ってこんから、Aが心配になって迎えに来てん」
「わざわざすみません」とお礼を述べると、コネシマさんは何か言いたげに「あー…」と言葉を濁す。
「コネシマさん、どうかしましたか？」
kn「本当はこんな仕事すぐにでも辞めて欲しいんやけどなぁ。仕事辞めて、W国でAとずっと一緒に居れたらええのに」
私は「えっ…？」と思わず聞き返すと、コネシマさんは慌てて「すまん、今のやっぱ忘れて！」とすぐに撤回をした。
『ずっと一緒に居れたらええのに』なんて言われてしまったら、ほんの僅かの期待を抱いてしまう。
コネシマさんはただ仕事で多忙の私を心配してくれての善意の言葉なのだろうけど、誰もが勘違いをするに違いない。
どうやら私も、その内の一人になってしまったようだ。
私はコネシマさんのことが好きなんだ。異性として恋愛的な好きの意味で。
コネシマさんへの恋心を自覚してはいけなかった。
ちらりとコネシマさんを横目で見ると、コネシマさんと視線がかち合う。胸は高鳴り、顔に熱が集まるのが分かる。恋心を自覚してから、こんなにも違って見えるのは何故なのだろうか。
kn「ん？どうしたん、A？」
「あっ、何でもないです…」と言って、私はコネシマさんから目を逸らした。
コネシマさんはいずれW国に帰ってしまうのだから、簡単に好きだなんて言えない。コネシマさんをただ困らせてしまうだけだ。
「…タクシー、乗りましょうか」
kn「ん…」
道で拾ったタクシーに乗り込んだ私とコネシマさんは、家に着くまで何を話せば良いのか分からなくて一言も話をしなかった。
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