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リビングに戻ると、鬱さんとゾムさんが首を長くしながら待っていた。
zm「A、おかえり〜。遅かったやん」
「ただいまです、ゾムさん」
ut「シッマ〜、お前トイレに時間掛けすぎやろ」
kn「すまんすまん!トイレに行ったらトイレットペーパー切らしとって、たまたまトイレの前を通ったAに助けて貰っててん!」
「な、A?」と言って、コネシマさんが私に目配せをする。
「そうなんです。コネシマさんがトイレ越しに声をかけて来たんで、トイレットペーパーの受け渡しをしていました」
苦しい言い訳だけれども、コネシマさんは私のせいでリビングに戻るのが遅くなってしまったのにもかかわらず、私に気を遣って誤魔化してくれた。
ut「あ、最後に補充すんの忘れてたの僕やわ。すまん、シッマ」
kn「大先生、お前かい!」
鬱さんは私の顔を見るなり何かを察したのか、「…Aちゃん、目腫れとるで。これ使い?」と言って温かいタオルと冷たいタオルを用意して持ってきてくれた。
「鬱さん、ありがとうございます…」とお礼を言って、タオルを受け取って目に当てた。今日は沢山泣きすぎて頭が痛い。
zm「Aー!俺、今日は自分で髪の毛乾かしたんやで!」
ゾムさんは『褒めて!』と言わんばかり、にこにこと笑みを浮かべる。
「ゾムさん、偉いですね。この調子で毎日自分で乾かして欲しいです」
「それは無理やなぁ、だってAに乾かして欲しいもん」とゾムさんにバッサリと断られてしまった。
しばらくすると、ショッピくんがお風呂から上がってリビングにやって来た。
shp「お風呂、ありがとうございました」
「じゃあ、次は僕お風呂に行って来るわ〜」と言って、鬱さんが立ち上がりお風呂に向かっていった。
「それじゃあ、ショッピくん。髪乾かすから、前にどうぞ」
ぽんぽんと私の前の床を叩くと、「お邪魔します…」と言っておずおずと遠慮がちに座ったショッピくんにドライヤーをかけ始めた。
「ショッピくんの髪はふわふわだね」
shp「そうですか?」
「コネシマさんたちは、どちらかと言うと直毛だからね」と私は答える。
髪を乾かしている間のショッピくんは、心なしか気持ち良さそうに目を細めていた。
shp「Aさんが、コネシマさんたちにオカンって呼ばれる気持ちがよく分かりました」
「私は四人も子供を産んだ覚えないよ…」とお約束のやりとりに頭を抱えるのであった。
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