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kn「…A、もう落ち着いたか?」
私は「はい、もう大丈夫です…」と空元気に答えると、「全然大丈夫じゃなさそうやで」とコネシマさんが言う。
「あの…コネシマさん」
kn「なんや?」
「コネシマさんは聞いてくれますか?私がコネシマさんたちにずっと隠していた話を」
私がそう言うと、コネシマさんが静かに頷いた。
「廊下で長々と話す内容の話では無いので、私の部屋に案内しますね」と言って、私はコネシマさんを私の自室に案内をした。
誰かを部屋に入れたのは、コネシマさんが初めてだ。
寝るためだけの部屋なので、余計なものを置いていないので、殺風景な部屋だ。
私はコネシマさんに両親が事故で亡くなった話、コネシマさんの面倒を見ると決めた本当の理由を話した。
私は「コネシマさんたちを利用したみたいになってしまって、本当にごめんなさい」と頭を下げて謝った。
kn「…実はな、大先生が来た日に俺とゾムで家の中を勝手に探検したんや」
それは知らなかった。前もって言ってくれていれば、掃除などをしてから案内したのに。
「その時にAの親御さんの部屋を見てしまってな。それから何となく薄々感じとったんや、俺の方こそ気が利かんくてすまんな」
「いえ、コネシマさんが謝る必要は無いですよ」
「話してくれてありがとうな、今まで独りで寂しかったやろ?」と言って、コネシマさんが私を包み込むように優しく抱きしめてくる。
コネシマさんは私に甘えるのと、私を甘やかせるのが上手すぎる。
そして、私の緩い涙腺はまたもう一度決壊してしまった。
しばらくコネシマさんに抱きしめられたまま、二人でベッドの上に倒れ込んでいた。
コネシマさんの心臓の音がトクントクンと聞こえてくる。…この心地良い空間がどうかずっと続いて欲しいけれど、そうもいかない。
「…そろそろリビングに戻りましょうか」
kn「A、ほんまに大丈夫なんか?」
「コネシマさんのお陰でもう大丈夫です」
私がコネシマさんに向かってそう言うと、コネシマさんが立ち上がり温もりが遠のいてしまった。
kn「ほな、大先生たちの所に戻ろっか」
「あの、ゾムさんたちにはまだ言う勇気が無くって…内密にして貰っても良いですか?」
kn「分かった。Aが言いたくなったら話せばええよ」
コネシマさんが手を差し伸べてくれたので、私はその手を取ってベッドから降りた。
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