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ショッピくんにお風呂の説明を終わらせると、私はリビングに戻ろうとした。
ショッピくんには痛い所をつかれてしまった。それにしても勘が良すぎではないか。初対面のショッピくんに話し過ぎた感じも否めないけれど。
私は思わず廊下で、膝を抱えながら座り込んでしまう。
ショッピくんに『気にしないで』とは言ったけれども、あれは嘘。意図的に隠している訳じゃないと言ったのも嘘だ。
本当はいつまで経っても、両親が私一人残して死んだのは忘れられない。
いや、一生忘れられるわけがない。
中学校の卒業祝いに春休みに家族旅行に行った際、帰り道の高速道路で対向車が勢い良く突っ込んで来たのだ。
私たち家族は救急車ですぐに病院に搬送された。幸いにも後部座席に座っていた私は、数日の入院で済んだ。
だけど、運転席と助手席に座っていた両親は助からなかった。即死だったらしい。
お葬式の喪主は父の兄である、伯父が務めてくれた。
両親の火葬が終わると、本当に両親が亡くなったのだと現実を突きつけられた。
両親が亡くなった今、私は一人ぼっちになった。
祖父母も既に他界していて、誰が私を引き取るか親族たちが揉めていた。
春から高校生になる年頃の子供なんて、親戚たちは誰も引き取りたがらなかった。だから頼れる場所も無かった。
私は両親が死んだ事故から、ずっとこの家に独りで過ごしている。
だからコネシマさんと初めて出会った時に、W国に帰れるまで面倒を見ると言ってしまったのだ。
もちろん、コネシマさんたちを純粋に助けたい気持ちはあった。
それを口実に寂しさを紛らわせていた、と言っても過言では無い。
皆に知られたら幻滅されてしまうかもしれない、そう思うと涙が止まらなくなった。
しばらく泣き続けていると、コネシマさんが私を見つけるなり一瞬ぎょっとした顔を見せた。
kn「A、どうしたん？」
優しく声を掛けてくれるコネシマさんに、私は罪悪感を覚えてしまう。
「…自己嫌悪中です」と私が服の袖で適当に涙を拭いながら答えると、コネシマさんは「なんやそれ」と苦笑を浮かべた。
「コネシマさんはこんな所でどうしたんですか？」
kn「たまたまトイレの帰りに通り掛かっただけや。良かったら話聞くで？俺にはそれぐらいしか力になれんから」
コネシマさんがそう言うと、更に涙が止まらなくなる。
久し振りに私はしゃくりあげながら思いっきり泣いたのだった。
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