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すっかり増えてしまった荷物はほとんどコネシマさんが持ってくれていて、私は申し訳程度に買い物袋を1つを持っている。
流石に「もう少し持ちます」と主張すると、コネシマさんは「俺が持つから」の一点張りで却下されてしまった。大人しくコネシマさんの厚意に甘えておくことにした。
家が見えてくると、家の前で立ち尽くしている人影が見える。
「A、誰かおるで」とコネシマさんが小声で囁く。
これはひょっとすると、コネシマさんの時と全く同じ状況なのではないだろうか。
「あの、私の家に何か御用ですか…？」とおそるおそる声を掛けると、こちらを振り向いた。
？「シッマどこ行っとってん！めっちゃ探したんやで！？」
振り向いたその人の目線は私ではなく、コネシマさんに向けられていた。
kn「…ゾム」
家の前に立っていたコネシマさんの知り合いと思わしきゾムと呼ばれた人物は、声を掛けた私に見向きもせずにコネシマさんの元へと駆け寄った。
彼は緑色のパーカーに身を包み、フードを深く被っているせいか表情が上手く読み取れない。
zm「シッマ、なんでこんな所におるん？」
kn「それはこっちの台詞や。何でゾムがここにおるんや？」
zm「国総出で行方が分からんくなったシッマのこと探しとったんやけど、気が付いたらここにおったんや」
おそらくゾムさんも、何かしらのきっかけでW国からこちらへやって来てしまったのだろう。
kn「ゾム紹介するわ。この人はA、俺の恩人や！A、こいつはゾム。W国の俺の仲間や。」
コネシマさんは買い物に行く前に話してくれていた通り、コネシマさんは私を恩人だと紹介してくれた。
「ゾムさん初めまして、田中Aといいます。よろしくお願いします」
出来るだけゾムさんを刺激しないように深々とお辞儀をして挨拶をしたが、ゾムさんの反応は良くなかった。
それどころか私の首筋にナイフを当てられ、ひんやりと冷たい感触が伝わってくる。
「…この国では、刃物の持ち歩きは御法度ですよ」と私が言っても、ゾムさんは聞く耳を持たなかった。
kn「ゾム何やってるんや！？はよ下げんか！！」
コネシマさんがゾムさんにナイフを下げるように言うと、ゾムさんは不服そうにナイフをポケットにしまった。本気で死ぬかと思った…。
どうやらゾムさんは、初対面の時のコネシマさん以上に警戒心が強いようだ。
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