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出掛ける準備を整えると、コネシマさんと一緒に家を出た。
あいにく車を持っていない私は、近場のショッピングモールに向かうには移動手段が電車になるので駅に向かう。
コネシマさんは見慣れない風景のためかキョロキョロと辺りを見回していた。
kn「A、あれはなんや？」
コネシマさんが指を指す先にあるのは車だった。男の人はやっぱり車に興味が湧きやすいのだろうか。
「車です。移動するための乗り物ですよ」
kn「なるほど、戦車みたいなもんか」
「言っておきますけど、戦争のための機能は備わっていませんからね」
「そうか…」と残念そうに言うコネシマさん。
駅に着くまで話しをながら歩いていると、どうやらコネシマさんの元いたW国にはコネシマさんと同じくW国の幹部と呼ばれている仲間達がいるらしい。
しかもW国の頂点に君臨している総統様とも仲が良いみたいで、思わず驚いてしまう。
上司と仲が良いってことだ、自分の上司と仲が良いだなんて想像するだけで震える。
kn「ええ奴らばっかやから、いつかAを皆に紹介してやりたいな」
「その時が来るのを楽しみにしていますね」
残念ながら今のところ、コネシマさんをW国に帰す方法が分からない。
だけど仲間との再会に思いを馳せるコネシマさんの姿を見ていると、どうにかしてコネシマさんをW国に帰してあげたいと改めて思った。
駅に着くとコネシマさんにお金の使い方も兼ねて切符の購入を教えながら、改札をくぐりホームで電車を待つことになった。
「W国には電車はあるんですか？」
kn「ないで。移動なら基本的に戦車と馬車やな」
うーん、なかなか文化が違うようだ。
言語は完全に関西弁なのに、どちらかと言うと文化は欧州の方に近しい気がする。
しばらく二人で待っているとようやく電車が来たので、コネシマさんと電車に乗り込んだ。
kn「これも乗り物なんよな？」
「そうですよ」とコネシマさんが私が答えると「ふーん」と返してくる。
コネシマさんは目的の駅に着くまでの間、車窓から流れてくる風景を静かに見つめていた。
吊り革を持ったコネシマさんが憂いを帯びた表情で伏し目がちになると、思わず周りの女性達がコネシマさんにチラチラと目線を送り始める。
コネシマさんとの外出は、もしかしなくても大変かもしれない。これから始まる買い物の先が思いやられるのだった。
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